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写真1●米グーグルのデイブ・ジロード エンタープライズ部門担当社長
写真1●米グーグルのデイブ・ジロード エンタープライズ部門担当社長
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写真2●既存のメール・ソフトとGmailの信頼性を比較した統計結果
写真2●既存のメール・ソフトとGmailの信頼性を比較した統計結果
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 「10年後はクラウドが中心になる。世界中の企業がクラウド・コンピューティングを利用する。今はその時代に向けてユーザーの信頼を得たい」。米グーグルのデイブ・ジロード エンタープライズ部門担当社長(写真1)は2008年11月12日,企業ユーザー向けのイベント「Google Enterprise Day 2008 Tokyo」の基調講演で,同社の企業向けソリューションに対する取り組みを語った。膨大なデータを記録するデータ・センターを構築するとともに,低コストと信頼性を訴えることで幅広い企業に浸透させていく方針を示した。

 グーグルは検索や地図などのサービスを提供しているが,クラウド・コンピューティングを浸透させるために大きな役割を果たすサービスが「Google Apps」だという。これはGmail,Googleドキュメント,Googleカレンダー,動画配信などをパッケージにしたサービスである。個人向けサービスで培った技術を企業向けに応用しており,扱いやすいことから中小企業を中心に普及しつつあるという。現状で利用している企業は全世界で100万社以上。毎日3000社が増えているという。

 個人向けサービスを含め,クラウドのサービスを滞りなく提供するため,2006年には米国のオレゴン州に自前のデータ・センターを構築した。当初はコストがかさんだが「Gmailで表示する内容に連動する広告によって十分な収益が発生し,現在では収益はコストを逆転した」(ジロード氏)という。データ・センターは世界中に点在しているが,膨大な個人情報を管理しているだけに,厳重なセキュリティ体制をとっている。サーバーはすべて同じソフトスタックで統一しており,数時間で世界中のサーバーに更新できる。第三者機関によるセキュリティの監査も受けた。

 Gmailの信頼性については,ほかの電子メール・ソフトに比べて,不具合が起こる確率が5分の1という米国の調査会社による統計結果を紹介(写真2)。「Gmailの問題を指摘するニュースを見かけることもあるが,統計的には高い信頼性がある。もちろん問題がまだあるが,今後解消するように努力を重ねる」(ジロード氏)。

 クラウドの利用を加速するためにグーグルはWebブラウザーの「Google Chrome」や携帯端末プラットフォームの「Android」も投入したという。ジロード氏は「Facebook,Yahoo!,GoogleといたWeb上のサービスで育った若者たちは,クラウドの技術に対する期待が大きい」として,次世代のユーザーに向けてクラウドの利用を定着させるためにも,さらなる技術革新を進めるという決意を表した。