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写真●独SAPスイートソリューション管理統括責任者 スヴェン・デネケン氏
写真●独SAPスイートソリューション管理統括責任者 スヴェン・デネケン氏
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 「メジャー・バージョンアップを止めたのは、バージョンアップの作業をわずらわしいと顧客企業が思っていたから。バージョンアップを止める代わりに、機能強化のためのパッケージを9~12カ月置きに提供することで、常に新機能を提供することにした」。独SAPスイートソリューション管理の統括責任者を務めるスヴェン・デネケン氏は2008年11月12日、新たなアプリケーション製品戦略を明らかにした。

 独SAPは最新版のERPパッケージ「SAP ERP 6.0」以降、メジャーバージョンアップを実施しないと06年に表明。一方でERP 6.0の機能強化向けに「エンハンスメントパッケージ(EhP)」と呼ぶソフトウエアを提供している。EhPはこれまでに3バージョンを出荷している。EhPの最新版である「EhP4」は年内に提供予定。「為替の管理機能や債権の回収管理など、昨今の不況時に顧客企業が必要としている機能を反映した」とデネケン氏は説明する。

 EhPはパッチのように「順番通りにすべてのバージョンを適用しなければいけないものではない」(デネケン氏)という。「顧客企業がEhPで提供している機能を必要と思った時点で、インストールすれば済む」(同)。このため「経営環境の変化などに追随しやすい」(同)としている。

 「当社も以前はそうであったように、競合企業は製品のメジャーバージョンアップを続けている。だがバージョンアップには時間がかかり、バージョンアップをしているうちに、すぐに次のバージョンが出てしまう」とデネケン氏は話す。「顧客企業のビジネスや経営環境はすぐに変わるもの。すぐに必要な機能を入手するには、EhPとして新機能を提供するのが適切と考えた」(同)という。

 現状、製品の機能強化にバージョンアップではなくEhPを採用しているのは、SAP製品ではERPパッケージのみ。デネケン氏は、「来年からはCRM(顧客情報管理)、SCM(サプライチェーンマネジメント)といった、ほかの製品も同様の形態を採る」と説明する。

 このほかERPパッケージ、CRM、SCMといったアプリケーションを統合した「SAP Business Suite」の強化方針についてデネケン氏は、ユーザーインタフェース(UI)の改良、BI(ビジネスインテリジェンス)との融合の2つの項目について挙げた。

 UIの改良については「SAP製品のヘビーユーザーであっても、たまにしか利用しないユーザーであっても、同じようにすぐに製品を使えるようにする」(デネケン氏)との目標を掲げる。BI製品との融合については「単なるレポーティングを超えたデータの分析機能をアプリケーションに組み込んでいく計画」としている。