米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2008年11月24日,2008会計年度第4四半期(2008年8~10月)の決算を発表した。売上高は336億ドルで前年同期比19%増加(為替の影響を除いた場合は16%増加)した。会計原則(GAAP)ベースの純利益は21億ドルで前年同期の22億ドルを下回ったが,希薄化後の1株当たり利益は0.84ドルで前年同期の0.81ドルから拡大した。
8月に買収した米EDS(関連記事:HPのEDS買収が完了,買収額139億ドル)の業績を除外すると,売上高は前年同期比5%増(為替の影響を除いた場合は2%増)となる。
同社は11月18日に当期決算の速報を公表しており(関連記事:HPの8~10月期決算速報,アナリスト予測を上回る好調な業績),今回発表した数値はほぼこれに一致している。
同社会長兼CEOのMark Hurd氏は「サービス事業が好調だったほか,支出管理を強化したことで,堅実な四半期業績をあげ,強力な1年を終えることができた」とコメントした。
地域別売上高は,米大陸が140億ドルで前年同期比17%増加,EMEA(欧州/中東/アフリカ)は141億ドルで同22%成長した。アジア太平洋地域は55億ドルで同14%増加した。
米国外の売上高が,総売上高の68%を創出した。BRIC(ブラジル/ロシア/インド/中国)の成長がめざましく,合計売上高は前年同期から23%拡大し,総売上高の9%を占めている。
事業別でみると,個人向けシステム部門の売上高が前年同期比10%増の112億ドル。製品出荷台数は同19%増加した。ノート・パソコンによる収入は同21%増加し,デスクトップ・パソコンの収入は同2%減少した。企業向けは同7%増,消費者向けは同15%増だった。
画像処理およびプリンティング事業は前年同期比1%減の75億ドル。サプライ関連の収入は同9%増加したが,企業向けハードウエアが同10%減少,消費者向けハードウエアが同21%落ち込んだ。プリンタの出荷台数は同8%減少した。
企業向けストレージおよびサーバー事業は前年同期比1%減の51億ドル。ESSブレードの収入が同43%増と好調だったにもかかわらず,Industry Standard Server部門とBusiness Critical Systems部門がそれぞれ同3%と同10%減少した。ストレージ部門の同13%成長を相殺するかたちとなった。
サービス事業は86億ドルで,前年同期比99%増加した。ソフトウエア事業の売上高は8億5500万ドルで,同13%増だった。
2008会計年度通期(2007年11月~2008年10月)の売上高は1184億ドルで前年度から13%増加(為替の影響を除いた場合は8%増加)した。GAAPベースの純利益は83億ドル(希薄化後の1株当たり利益は3.25ドル)で前年度の73億ドル(同2.68ドル)から大幅に拡大した。
同社は今後の見通しについて,2009会計年度第1四半期(2008年11月~2009年1月)の売上高が約320億~325億ドル,GAAPベースの希薄化後1株当たり利益が0.80~0.82ドルの範囲になると予測している。2009会計年度通期(2008年11月~2009年10月)の売上高は約1275億~1300億ドル,GAAPベースの希薄化後1株当たり利益は3.38~3.53ドルの範囲を見込む。
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