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グラムメディア・ジャパン代表取締役CEOの山村幸広氏
グラムメディア・ジャパン代表取締役CEOの山村幸広氏
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 女性向けネットメディア「Glam Media」を運営する米グラムメディアの日本法人、グラムメディア・ジャパンは2008年11月25日、女性向けアドネットワークの運用を日本で開始した。アドネットワークの名称は「グラムメディア・バーティカル・コンテンツネットワーク・サービス」。サービス開始当初の提携サイトは約30サイトで、小学館、光文社、主婦の友社などの出版社が運営するサイトのほか、カフェグローブ・ドット・コムなど日本の老舗女性サイトが参画する。当初のインプレッション数は3000万だが、1年後に2億を目指すほか、2009年度に10億円の広告収入を目標としている。

 グラムメディアのアドネットワークの特徴は大きく二つある。一つはブランディング広告のみ取り扱い、クリック率やコンバージョン率を重視するダイレクトレスポンス型広告を取り扱わない点。基本的にはインプレッション保証、および期間保証型のみとなる。また、広告配信だけでなくコンテンツが連携している点もほかのアドネットワークとは大きく異なる点。グラムメディアは自身でWebサイトを持ち、自社制作コンテンツに加えて提携サイトのコンテンツへと誘導を図るハブサイトとしての役割も担っている。

 米グラムメディア代表取締役会長兼CEOのサミール・アローラ氏は「米国全体の広告市場において、パフォーマンスを求める検索連動型広告などの割合は50%を占めているが、一方でディスプレー広告が44%まで上ってきている。ブランディング広告がネットへとシフトしつつある」と分析。今後、ネットにおけるブランディング広告市場が伸びると予測した。一方、元エキサイト代表取締役社長で現グラムメディア・ジャパン代表取締役CEOの山村幸広氏は「一つや二つのメディアに偏向している現状を打破しなければならない」とし、ヤフーとグーグルによる寡占状態が続く現在のネット広告市場に風穴を開ける意欲を見せた。質の高いコンテンツを提供しているメディアが利益を上げていくためには、「グラムメディアのようなソリューションが必要不可欠だ」と訴えた。

 グラムメディアの成功は、テレビや雑誌、新聞といった既存メディアに対しては広告を出稿しているラグジュアリーブランドをいかにネットメディアに引き寄せるかにかかっている。山村氏はラグジュアリーブランドによるネットメディアへの広告出稿が日本で進まない現状について、「自分たちのブランドを守れるネットメディアがなく、あったとしてもスケールが小さいというのが問題だった」と指摘。空き枠を集めて安い値段でバルク販売するという考え方だった従来のアドネットワークと異なり、グラムメディアは質の高いWebサイトだけを集めて広告枠を預かり、規模ではなく質を追い求めたメディアであると主張。ラグジュアリーブランドやナショナルクライアントの企業にとってブランドイメージを壊すことなく出稿できるネットメディアだと強くアピールした。一方で、同社のアドネットワークには専門サイトだけでなく、総合情報サイト、ブログなど質が高いメディアであれば分け隔てなく入れる点も強調。「米国の有名なブロガーは(1インプレッション当たり)2~2.5円の単価で広告枠を売っている。ブログもれっきとしたメディアであり、質の高いブログはほかのWebサイトと同様、プレミアムサイトの一つとして売っていく」(山村氏)とした。