マイクロソフトは2008年12月4日,携帯端末向けプラットフォームWindows Mobileのアプリケーション開発者を支援するWindows Mobile開発事務局を設立すると発表した。円滑な技術情報の提供や開発者コミュニティの支援を通して,アプリケーション開発の活性化を図る。NTTドコモ,KDDI,ソフトバンクモバイルなど国内携帯電話事業者6社も事務局の運営に協力する。
マイクロソフトは,有料の問い合わせ窓口を用意するなど,これまでも開発者の支援をしていた。だが,開発者からはさらなる支援体制の強化を求められていた。特に「技術,製品情報が必要という声が多い。Web上で米国のドキュメントを日本語化するなどの活動をしているが,まだ十分ではない」(マイクロソフト 業務執行役員 コンシューマー&オンラインマーケティング統轄本部 コンシューマーWindows本部兼モバイルコミュニケーション本部担当 高橋克之氏)という。今回設立する事務局では,情報提供の体制を強化するほか,通信事業者と開発者の橋渡しをすることと,開発者コミュニティを支援することに重点を置く。
開発者向け説明会では,NTTドコモ フロンティアサービス部 アプリケーション企画 山下哲也担当部長が登壇し,Windows Mobileへの取り組みを説明した(写真1)。その中で,山下氏は携帯電話のオープン・プラットフォーム化が進み,機器や事業者が変わっても同じサービスが利用できる「クロスOS,クロス・プラットフォームになっていく」という見通しを示した。その端緒となる端末がWindows Mobile機をはじめとしたスマートフォンであるという。
オープン化が進めば,同じ端末メーカーの製品を複数の携帯電話事業者が投入するケースも頻発すると考えられるが「サービスで事業者間の競争をする覚悟はできている」(山下担当部長)と意気込みを示した。2009年には「iモードの仕組みを作ったときと同様に,課金の仕組みを用意するなど,Windows Mobileのサービスをビジネス化する基盤を作る」準備をしているという。将来的には,課金の仕組みをオープンにする構想もある。開発者がユーザーの位置情報をマッシュアップできるようにするなど,アプリの高機能化に役立てるデータ提供も検討する。
なお,説明会の会場には日本通信が12月3日に発表した「i-mate Ultimate 8502」などが展示されていた(写真2)。
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