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 フリー・ ソフトウエア推進団体の米Free Software Foundation(FSF)は,米Cisco Systemsを著作権侵害で訴えたことを米国時間2008年12月11に明らかにした。Ciscoの無線関連製品ブランド「Linksys」の販売において,FSFが著作権を保持する多数のプログラムのライセンスに違反したと,FSFは主張している。

 FSFによると,CiscoはGNU General Public License(GPL),GNU Lesser General Public License(LGPL)などのライセンスに準拠せずに,GCCやbinutils,GNU C Libraryなどのプログラムを利用しているという。GNU GPLおよびLGPLでは,企業がソフトウエアに変更を加え,それを第三者と共有することを許可している。その場合,共有する相手に,ソフトウエアのソース・コードを提供しなければならないなどの一定の条件が設定されている。

 FSFは,Ciscoが対象となるソース・コードを提供せずに,ソフトウエアの配布を行ったと指摘。違反行為の複数の事例を示す書類を,ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に提出したという。

 FSFでライセンス遵守担当エンジニアを務めるBrett Smith氏によると,Ciscoとは,ラインセンスに準拠するよう2003年より交渉してきた。しかしCiscoは遵守プロセスを完了するための努力を怠った。そのため今回,法的手段に訴えることが最良の道だと判断し,提訴に踏み切ったとしている。

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