
NTTデータは2008年12月18日,データセンターの空調効率と耐震性能を同時に向上させる「免震装置一体型アイルキャッピング」を2009年1月から提供開始すると発表した(写真1,図1)。同社の「グリーンデータセンタ設計構築サービス」の追加メニューとして提供する。
データーセンターでは,サーバーの高集積化・高密度化によって大量の熱が発生しており,冷却に要する電力消費量が急速に増加している。これが環境保護の面から大きな問題になっている。一方,各地で地震災害が相次ぐ中,事業継続(BCP)の観点から,データセンターに高い耐震性が求められるようになってきた。

こうした背景からNTTデータは「免震装置一体型アイルキャッピング」を開発した。アイルキャッピングとは,ラック間の通路部分に天井や壁をしつらえ,空調からの冷気と,IT機器からの暖気をそれぞれ封じ込めることで,冷却効率を高める仕組み(図2,図3)。今回,このキャッピングの床板の部分と,ラックの床面にある免震装置とを一体化する製品を開発した。ラックだけでなく,通路部分も免震化することによって,耐震性能が従来より向上したという。


NTTデータは2008年1月から「グリーンデータセンタ」と銘打って,データセンターの省電力化を推進する一連の製品やサービスを提供している。今回の免震装置一体型アイルキャッピングも,「グリーンデータセンタ」を構成する「データセンタ設計構築サービス」の追加メニューとして提供する。同社は,データセンタ設計構築サービス全体で,2010年度までに30億円の売り上げを目指す。