米ブロードコムは,米国ラスベガスで開催されているInternational 2009 CESに構えた同社の展示ルームで,テレビに接続するハードディスク搭載レコーダーなどに向けた新型チップセット「7410/7420」のデモを公開している。画像をテレビに送るだけでなく,DLNA,ウィジェット表示,同軸ケーブル通信など今後のテレビに求められる数多くの機能に対応させた。
展示されているハードディスク・レコーダーの試作機は,家電同士のデータ通信規格DLNAに対応し,別のDLNA対応テレビやセットトップ・ボックスにHD(高精細)映像を送信できる。外部の携帯端末からネット越しに遠隔操作するといった連携も可能。同軸ケーブルを使ってHD映像を送信できるMoCA(Multimedia over Coax Alliance)にも対応している。ネット技術の標準化を進めるW3Cの規格に対応したウィジェットを表示する機能も備えており,ニュース,天気といった情報のほかYouTubeの動画などをテレビ画面に表示できる。
同社は「制御チップであらゆる標準方式に対応し,機器メーカーが開発をする際のコスト削減につなげたい」(ブロードバンド通信事業部のスティーブン・パーム テクニカルディレクター)という。
また,iPhoneなど携帯端末に採用されている無線LANとBluetoothの統合チップも紹介していた。制御方法に工夫を重ね,アンテナ1本で無線LANとBluetoothを同時に通信できるようにした。無線LANとBluetoothに加えて,FMラジオの送信機能を追加したチップも開発済み。こちらも今後,携帯端末への搭載を進めていく方針。将来は外付けのFMトランスミッターを装着しなくても,車の中などで音楽再生が楽しめるようになるかもしれない。