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 総務省は2009年1月23日,LTEなど3.9世代(3.9G)移動通信システム導入に向けた免許方針案を発表した。

 3.9Gの導入に向けては,昨年11月に総務省が開催した公開ヒアリングで,NTTドコモ,KDDI,ソフトバンクモバイル,イー・モバイルの4社が参入を表明。3.9Gシステム導入のために,追加の周波数を少なくとも10MHz以上欲しいと表明していた(関連記事)。

 こうした意見などを受けて総務省は,1.5GHz帯と1.7GHz帯に新規・既存事業者を問わず最大4社に対して10MHz幅,15MHz幅を割り当てる方針を示した。内訳は1.5GHz帯が10MHz,10MHz,15MHzの3枠,1.7GHz帯が10MHzの1枠。なお1.5GHz帯・15MHz枠のうちの10MHz幅は,デジタルMCAが2014年3月31日まで部分的に利用中であるため,東北,信越,北陸,四国,沖縄以外では5MHz幅しか利用できない。全国で15MHz幅を利用できるようになるのは2014年4月以降になる。

 1.5GHz帯と1.7GHz帯の周波数追加割り当ての要件として総務省は,参入事業者に対して,3.9Gシステムや,HSPA EvolutionなどHSPAを高度化したシステムを設定日から5年以内に人口カバー率50%以上とするよう求めた。ただし,3.9GシステムやHSPA高度化システムを,必ずしも1.5GHz帯/1.7GHz帯に導入する必要はなく,例えば,当該事業者が既に所有する他の周波数帯に3.9Gシステム/HSPA高度化システムを導入し,追加割り当てを受けた1.5GHz帯/1.7GHz帯を既存の3Gシステムに利用することも可能とした。

 総務省がこのような要件としたのは,1.5GHz帯,1.7GHz帯とも,国際的にLTEが導入される可能性は低く,機器の調達や国際ローミングの面で困難が予想されるため。例えばNTTドコモは,同社が持つ2GHz帯をLTE向けにメインで利用する考えを示している。「3.9G導入に向けて柔軟に追加周波数を活用できるような要件にした」(総務省移動通信課)。

 ただし1.5GHz帯や1.7GHz帯を3.9Gシステム/HSPA高度化システムに利用しなかったとしても,既存の3Gシステムで5年以内に人口カバー率50%以上とすることを求めている。

 なお1.7GHz帯の10MHz枠は,これまで加入者が250万増えるごとに5MHzずつ事業者に与えるリザーブ・バンドだったが,今回の方針案を受けて開設指針を変更する。

審査基準は2.5GHz帯とほぼ同様,MVNOの促進計画も求める

 参入に向けた審査基準としては,基地局の整備計画・能力,財務基盤に加えて,MVNO(仮想移動体通信事業者)の促進計画を持つことも求めた。このあたりは,UQコミュニケーションズのモバイルWiMAXやウィルコムの次世代PHSに割り当てた2.5GHz帯の議論とほぼ同じ形になる。

 今後のスケジュールとしては,今回の方針案に対する意見募集後,免許方針を固めて,2009年4月に申請を受け付ける。その後,6月~7月に参入事業者を決める。

 追加枠が4枠であるため,5社以上が申請した場合は比較審査となるが,公開ヒアリングの場で意見陳述を希望したのは既存の携帯4社だけ。このまま4社に追加の周波数割り当てならびに3.9Gシステムの参入が決まる公算が大きい。

 なお3.9Gと同時に総務省は,アイピーモバイルが返上した2GHz帯TDDバンドの免許方針案も公表した。モバイルWiMAX,IEEE 802.20 625k-MC(iBurst),次世代PHS,UMB-TDD,LTE-TDD,TD-CDMAおよびTD-SCDMAの7方式を対象として,15MHz幅を割り当てる。ただここまでの議論の中で,明確にこのバンドへの参入を希望する事業者は現れていない。「もし申請する事業者が現れなかった場合は,国際的な動向も見つつ実験用途なども含めて幅広く再検討していきたい」(総務省移動通信課)としている。

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