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図1●100GbE用ライン・カードの構成。図では省略しているが,実際には光モジュールは12個搭載する
図1●100GbE用ライン・カードの構成。図では省略しているが,実際には光モジュールは12個搭載する
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図2●Stratix IV GTと従来チップでの消費電力の比較。既存チップで必要な外部PHYチップを省けるため,大幅に消費電力を低減できるという
図2●Stratix IV GTと従来チップでの消費電力の比較。既存チップで必要な外部PHYチップを省けるため,大幅に消費電力を低減できるという
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図3●トランシーバを搭載したFPGAの応用分野。コア,エッジ,アクセスと通信インフラのあらゆる分野で,トランシーバ搭載FPGAを利用できる。なお,仕様が完全に固まっていて,より低消費電力・低コストが重要とされる分野に対して,同社はASIC(application specific integrated circuit)も提供している
図3●トランシーバを搭載したFPGAの応用分野。コア,エッジ,アクセスと通信インフラのあらゆる分野で,トランシーバ搭載FPGAを利用できる。なお,仕様が完全に固まっていて,より低消費電力・低コストが重要とされる分野に対して,同社はASIC(application specific integrated circuit)も提供している
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 FPGAベンダー大手の米アルテラは2009年2月3日,100ギガビット/40ギガビット・イーサネット(100GbE/40GbE)向けスイッチ/ルーターを実現するFPGA(field programmable gate array)の新製品,「Stratix IV GT FPGA」を発表した。すでに2009年1月に一部のユーザーに出荷を始めている。

 FPGAは,ハードウエアの回路構成をプログラムによって変えられるLSIチップ。標準が策定中で仕様がまだ固まっていない場合,先行して装置を開発してもFPGAなら正式な仕様決定後に回路構成を変更できる。100GbE/40GbEも現在仕様を策定中で,標準化作業は2010年5月に完了する予定となっている。

 今回のFPGAは,同社が100GbE/40GbEのライン・カード向けに,新たに開発した(図1)。特徴は,100GbE/40GbEのネットワーク機器を実際のサービスで使えるように,消費電力を現実的なレベルにまで低減できること。同社が試算したところ,他社の現行チップを使った場合に比べ,同社のFPGAの新製品を使うと消費電力を約4分の1にまで低減できるという結果になった。

 低消費電力を実現するため,FPGAに搭載するトランシーバ(外部との送受信回路)の伝送速度を11.3Gビット/秒へと高速化した。この結果,光モジュールとトランシーバを直接接続することを可能にし,部品点数を減らして消費電力を低減できた。

 100GbE向けのライン・カードでは,送信と受信のそれぞれに10Gビット/秒の光モジュールを12個使用する。今回のStratix IV GT FPGAは,11.3Gビット/秒のトランシーバを24個(送信用12個,受信用12個)内蔵しており,光モジュールとトランシーバを1対1で接続できる。

 これに対し,従来品のFPGAでは,トランシーバの伝送速度が6Gビット/秒程度だった。この場合,光モジュール1個に対し,トランシーバ2個が必要となる。その分消費電力が増加する。また,光モジュールとFPGAの間に外付けのPHYチップを配置する必要があるため,この分の消費電力がかなり大きくなってしまう(図2)。

 今回のFPGAは,最先端の製造プロセスである40nmルールで作られる。外部インタフェース用に11.3Gビット/秒のトランシーバを24個,内部のシステム・インタフェース用に6.5Gビット/秒のトランシーバを24個内蔵している。また,FPGAを構成する「ロジック・エレメント」(1エレメント当たり10~12ゲート)を23万~53万個,18×18乗算器を832~1288個,13.3M~20.3MビットのRAMを集積している。ロジック・エレメントと乗算器の部分は,ASICのゲート数に換算すると約1200万ゲート相当になる。

 今回のFPGAは,通信事業者向けにネットワーク機器を販売する装置メーカーの意見を大きく取り入れて開発した。同社によれば,従来のソリューションでは実際にサービスを提供できるレベルに消費電力を抑えられず悩んでいたという。数社の装置メーカーが今回のFPGAを使って製品を開発中で,2009年後半には製品が登場し,2010年には通信事業者の実際のサービスに導入されるとの見通しを同社は示した。

 同社は今回,コア向けのStratix IV GT FPGAとともに,ネットワークの末端を構成する装置向けのFPGA「Arria II GX FPGA」を発表した。2009年第2四半期に出荷予定。

 この製品は,3.75Gビット/秒のトランシーバを搭載した製品で,LTE向けRRH(remote radio head)を収容する3Gビット/秒のCPRI(common public radio interface),2.5Gビット/秒のGPONなどを収容するMSAN(multi service access node),企業用拠点を収容する1Gビット/秒のギガビット・イーサネットなどに適している(図3)。また,放送用映像機器やPCの周辺機器,医療や産業用の独自通信装置など,様々な分野に使えるという。

 Arria II GX FPGAは,3.125Gビット/秒動作のトランシーバを搭載する「Arria GX FPGA」の後継製品。40nmルールで製造することにより,90nmルールで製造するArria GX FPGAに比べ,消費電力を2分の1程度に低減できたという。また,トランシーバやI/O回路を最適化することで,低コスト化を実現した。