巨額の粉飾決算が発覚したインドITアウトソーシング大手のSatyam Computer Servicesは現地時間2009年2月5日,新たな最高経営責任者(CEO)を発表した。同社に15年勤務しているA.S. Murthy氏が就任した。
Murthy氏は,戦略開発や指導力強化を図るLeadership Development Groupの責任者を務めていた。そのほか,情報セキュリティや人事部門などの管理職も歴任した。
同社は今年初めに,過去の巨額粉飾決算が発覚し,同社創立者で会長のRamalinga Raju氏が引責辞任した(関連記事:インドITアウトソーシング大手のSatyamが粉飾,会長が引責辞任)。1月11日にはインド企業省が任命した取締役の受け入れを開始し(関連記事:巨額粉飾が発覚したSatyam,政府任命の取締役を受け入れ),14日までに米Deloitte Toucheと米KPMGを監査法人に決定して,新CEOとの選出に着手していた(関連記事:粉飾決算のSatyam,新たなCEOとCFOの選出開始)。
同社取締役のDeepak Parekh氏によると,数週間にわたる話し合いで,「新CEOは社内から登用すべき」との考えが明確になったという。Parekh氏はMurthy氏について,「同社を深く理解しており,その管理能力は証明されている。チームをまとめ,全体的な意思決定を導き出す力には定評がある」と説明した。
また同社取締役会は,約1億3000万ドルの融資を確保したことも明らかにした。合わせて,元インドTata Chemicalsのマネージング・ディレクタ,Homi Khusrokhan氏と,元インドMurugappa Groupの財務担当ディレクタ,Partho Datta氏を特別顧問に迎えたことを発表した。Datta氏は財務報告書の修正再表示に取り組み,Khusrokhan氏は今後の信頼回復や管理規定見直しなどに協力する。
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