米SanDiskは米国時間2009年2月10日,1セルに4ビットの情報を記録する技術(X4)を採用するNAND型フラッシュ・メモリーの量産を2009年上半期に開始すると発表した。このメモリーは43ナノメートル(nm)プロセス技術によって製造され,シングル・ダイの最大容量は64Gビットとなる。
SanDiskは,東芝と共同で64GビットのX4フラッシュ・メモリーを開発した。データの書き込み速度は7.8Mバイト/秒で,現行のMLC(多値セル)技術に匹敵するという。SanDiskは,X4メモリーを効率的に管理するX4コントローラ・チップを製造しており,このチップをX4メモリー・チップと組み合わせてマルチ・チップ・パッケージ(MCP)として提供する。
SanDiskと東芝は同日,32nmプロセス技術による32GビットMLC型NANDフラッシュ・メモリーを共同で開発したと発表した。このメモリーは,1セルに3ビットの情報を記録する技術(X3)を採用するもの。ダイの面積は113平方ミリメートルで,メモリー・カードから半導体ディスク(SSD)まで幅広い製品において容量の拡大および製造コストの低減が期待できるとしている。32nm技術によるX3技術採用の32Gビットのチップは,2009年下半期に製造を開始する見通し。
両社は同日,米カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の半導体回路技術の国際会議「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2009」において,これらのフラッシュ・メモリーの開発を実現させた主要技術について説明する技術論文を発表する。