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図1 経営上の課題,問題点(公表資料より)
図1 経営上の課題,問題点(公表資料より)
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 総務省では2009年2月17日,2008年11月に実施した「放送番組制作業実態調査」の結果を発表した。それによると,経営課題として「資金調達」を挙げる回答が急増していることがわかった。

 この調査は,「通信・放送産業に密接に関連する放送番組制作業の実態を把握する」ことを目的に,1992年度から毎年実施しているものである。調査対象は,放送番組及びコマーシャル(CM)の制作に関わる事業者(ケーブルテレビ番組供給業を除く)である。今回の調査は,基本的に平成19年度(2007年度)の実態を調査するためのものである。

 平成19年度(今回調査)における放送番組制作業務にかかわる売上高の合計は2637億円となった。1社当たりの平均売上高は8億5100万円万円で,対前年度比12.7%増となった。サンプル数が毎年異なるため,前年および本年調査の両方に回答した企業について資本金規模別に比較すると,資本金5000万円以上では対前年度比17.9%増となっているのに対し,資本金5000万円未満では同7.4%減となり,2007年度に中小事業者の平均売上高が減少している様子が伺えた。

 二次利用の権利確保についても,資本金の規模で大きな違いがあることがわかった。「完全パッケージ」納品した番組のうち放送番組制作事業者が自由に二次利用できるものは3.5%,放送局が自由に二次利用できるものは26.3%」という結果だったが,後者(放送局が自由に二次利用できる)の比率は,資本金5千万円以上では8.9%であるのに対し,5000万円未満では73.1%に達した。

 今回の調査で目立つのが,経営上の課題として「資金調達」を挙げた回答が急増していることである(図1)。過去3年間の調査で,17.5%,21.8%,32.2%と毎年増え続けている。経済状況の悪化,あるいはそれに伴う番組制作費の圧縮といった動きもあることから,現在はさらに厳しくなっていると見られる。「受注量の安定」や「受注単価」などが上位を占める傾向は,今年も変わらなかった。

 資金調達については,業界にとって緊急の課題になっており,全日本テレビ番組製作社連盟(ホームページ)が2009年1月に「在京・在阪の放送事業者への緊急のお願い」という文章を採択,番組の制作委託契約時に制作費の一部を「着手金」として交付することなどを求めている。

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