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写真●日立製作所 情報・通信グループ 経営戦略室 事業戦略本部 担当本部長 香田克也氏
写真●日立製作所 情報・通信グループ 経営戦略室 事業戦略本部 担当本部長 香田克也氏
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 2008年2月24日,東京都内で開催中の「クラウド・コンピューティング フォーラム」において,日立製作所の香田克也氏(情報・通信グループ 経営戦略室 事業戦略本部 担当本部長,写真)が登壇し,同社が提供する3つのクラウド・コンピューティング・サービスについて解説した。

 香田氏は最初に,クラウド・コンピューティング導入の勘所について説明した。「クラウドを活用すれば,新しい事業を短期間で立ち上げられる,導入コストを抑えられる,システムの柔軟性を高められるといった変化を期待する。一方で,システムの信頼性や可用性,コンプライアンス,セキュリティなど,従来システムから変えてはならない要件もある。この両者のバランスを取ることが重要だ」。

 日立製作所では,企業のシステム要求に合わせて,大きく3つのクラウド・コンピューティング・サービス──ビジネスSaaS,ビジネスPaaS,クラウド活用SI──を提供しているという。

 ビジネスSaaSのベースとなるのは,同社が10年ほど前から提供している企業間ネット取引サービス「TWX-21」。TWX-21は,主に製造業をターゲットにした企業間の電子商取引サービスで,日本企業を中心に,アジア,ヨーロッパ,アメリカなどグローバルで約4万社が利用し,年間の取引規模は10兆円に達するという。昨年5月から,製造業向けに図面や仕様書の管理サービスを開始し,今年は受注管理や倉庫管理といった製造業向けSaaSを開始する。さらに様々なサービス・メニューを追加していく。

 ビジネスPaaSは,ビジネスSaaSよりもセキュリティを要求される業務向けで,SecureOnlineという形態で提供している。すなわち,日立のデータセンターに仮想化されたサーバーとストレージを構築し,これをユーザー企業がインターネットを使って利用するというもの。ユーザー企業はシステムの管理や運用,セキュリティの確保といった手間が不要で,ソフトウエアを含む月額利用料を支払う。

 「SecureOnlineは,ユーザー企業がシステム構築の開発用サーバーとして利用する例が最も多い。開発が終了すれば余剰となるサーバーを購入せずにすむことから,IT資産コストを圧縮したい企業に好評だ」と,香田氏は利用状況を明かす。また,ユーザー企業が協力会社と分散型の開発環境を構築する場合,SecureOnlineのサーバーを使って,設計ドキュメントや進ちょく管理表などのファイル共有を行っているケースも多い。互いのイントラネットに入らずにセキュアにファイルの受け渡しができるところが支持されているためという。

 もう一つのクラウド活用SIは,SaaS,PaaS,SIを組み合わせることで最適なシステムを実現するサービスである。会場では,日立の特許情報ASPサービスをベースに,ユーザー企業にとって利用しやすいシステムを構築した事例を紹介した。

 香田氏は最後に,クラウド時代のコンピューティング・サービスを支えるデータセンターの技術について触れた。「日立では金融機関の共同センターの運用実績を基に,サービス提供基盤としてのデータセンターの拡充に努めていく。特に仮想化や統合管理,グリーンITなどの技術開発に積極的に取り組んでいく」と同氏は語り,講演を締めくくった。