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写真1●東京大学の岡村定矩副学長
写真1●東京大学の岡村定矩副学長
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写真2●「MEET Video Explorer」の画面の様子
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写真3●「MEET eJournalPlus」の画面,左側の電子文書から右側の作図画面に文字列の塊を抜き出す
写真3●「MEET eJournalPlus」の画面,左側の電子文書から右側の作図画面に文字列の塊を抜き出す
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写真4●「MEET Borderless Canvas」の画面の様子
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 東京大学 大学総合教育研究センターは2009年3月4日,MEET(マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門)の成果報告会を開催した。MEETの主な目的は,自ら能動的に考えながら学習を進める「アクティブ・ラーニング環境」を実現するためのソフトウエアを開発・評価すること。2006年度から2008年度にかけて,マイクロソフトから総額1億2000万円の資金援助を受けて研究活動を行ってきた。2009年3月末に3年間の研究活動を終了する。

 報告会の冒頭挨拶に立った東京大学の岡村定矩副学長(写真1)は「MEETの研究活動によりアクティブ・ラーニングを支援する3つのソフトウエアが開発された。今後,これらを東大だけでなく,日本全国へ展開したい」と述べた。

 MEETが開発した3つのソフトとは「MEET Video Explorer」「MEET eJournalPlus」「MEET Borderless Canvas」。これらのソフトは同日から,MEETのWebサイト,および米マイクロソフトのオープンソース・コミュニティ・サイト「CodePlex」で無償公開する。

 MEET Video Explorerは,NHKがストリーミング配信している「NHKアーカイブス」の番組映像を検索し,関係図にまとめることができるソフトだ(写真2)。学生が主体的に映像を検索し,複数の映像間の関連性や差異をまとめることで,学習・関心をより深める効果があるという(公開授業の様子はこちら)。ただし,NHKアーカイブスの番組映像は東大での研究目的にしか利用できない。東大以外での利用には,あらかじめ映像を用意する必要がある。

 MEET eJournalPlusは,タブレットPCを使って,文献を読み解く学習を支援するソフトだ。電子文書の文字列にペン型のポインティング・デバイスで線を引くと,線を引かれた文字列の塊(ノード)を,ドラッグ&ドロップで作図画面に抜き出せる(写真3)。作図画面には,棒線や囲み線を描画して,抜き出したノード間の関係や矛盾などを分析する図を作ることが可能。ペンで文字を書き込むこともできる。MEETの調査によると,学生がこのソフトを使った場合,「課題文の主張を正しく読解できる」「文章の内容に基づいた意見構築ができる」などの効果が認められたとしている(公開授業の様子はこちら)。

 MEET Borderless Canvasは,タブレットPCを使って,プレゼンテーション中のPowerPointスライドに,聴衆が意見を書き込めるソフトだ(写真4)。前後のスライドを自由に確認することもできる。プレゼンテーションをただ見るだけでなく,プレゼンテーションに参加して議論することで,MEETが目指すアクティブ・ラーニングが実現できるという(公開授業の様子はこちら)。

 マイクロソフトの樋口泰行代表執行役社長は「日本人はクリティカル・シンキングやディベートが苦手とされている。だが,MEETの研究成果が,この状況を改善するのに役立つと期待している」と述べた。

 MEETの活動は3月末で終了となるが,東大の大学総合教育研究センターは,今後もソフトの運用やデータ収集に携わり,評価・研究を続けていく予定だ。