アイシロン・システムズは2009年3月11日、NAS(ネットワーク接続ストレージ)の新製品を発表した。従来製品から容量を3倍に増やすなど性能を向上させた「IQ 36000x」、大量のトランザクション処理に向く「IQ 5400S」、データのバックアップなどに向く「IQ 36NL」の3製品。同日付で出荷を始める。従来製品はすべてXシリーズの製品だったが、今回からSシリーズとNLシリーズを加えラインアップを拡充した。
米アイシロン・システムズのポール・ラザフォードCTO(最高技術責任者)は、「2011年にはストレージのデータの75%がファイルベースのデータになる。そのような時代に対応するためラインアップを拡充した」と語った。
XシリーズのIQ 36000xとSシリーズのIQ 5400Sの違いは搭載するドライブにある。36000xは7200回転/分で1TバイトのSATA(Serial Advanced Technology Attachment)ドライブ36台を、5400Sは1万5000回転/分で450GバイトのSAS(Serial Attached SCSI)ドライブ12台を搭載する。5400Sは36000xと比べ、I/O性能が高く、容量は少ない。
36NLについてラザフォードCTOは「ソフトウエアや拡張性などは基本的に36000xと同じ構成だが、プロセサ、メモリー、ネットワーク接続の部分が違う。スペックを下げることで価格を抑えた」と説明した。プロセサを例に挙げると、36000xがマルチコアで2.33GHzのインテル「Xeon」を2基搭載するのに対し、36NLは1基だ。
オープン価格だが、ストレージのGバイトあたりの希望小売価格は5400Sが約1600円、36000xが約600円、36NLが約350円という。