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写真1●2009年4月1日に本格稼働したJAXA統合スーパーコンピュータシステム(JSS)の内部の様子
写真1●2009年4月1日に本格稼働したJAXA統合スーパーコンピュータシステム(JSS)の内部の様子
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写真2●JAXA 情報・計算工学センター長の藤井孝藏氏
写真2●JAXA 情報・計算工学センター長の藤井孝藏氏
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 独立行政法人の宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2009年4月2日,東京・調布の調布航空宇宙センター内に構築した新型スーパーコンピュータ「JAXA統合スーパーコンピュータシステム(JSS)」を報道陣に公開した(写真1)。富士通製で総理論ピーク性能135テラフロップス(1テラフロップスは毎秒1兆回の浮動小数演算速度)。性能が公表されているスパコンでは国内最速である。「調布航空宇宙センターの従来システムの約15倍の演算性能になる」とJAXA 情報・計算工学センター長の藤井孝藏氏(写真2)は説明する。JAXAはロケット打ち上げや,航空機やヘリコプタの騒音などに関する数値シミュレーションにJSSを利用する。

 これまで調布航空宇宙センター,角田宇宙センター,相模原キャンパスの3拠点に設置していたスーパーコンピュータシステムをJSSとして一つに統合。4月1日から本格利用を始めた。角田宇宙センターと相模原キャンパスからはVPN経由でJSSを利用する。JSSを使った大規模シミュレーションが遠隔地からも実行できる。

 JSSは大規模な数値シミュレーションを実行する「Main System」,シミュレーションの事前計算などに利用する「Project System」,ベクトル計算に特化した「Vector System」,主にシステム管理に使う「APL System」,およびストレージの「Storage System」の5つのユニットで構成する。

 システムの中核となるMain SystemとProject Systemには富士通製のハイエンド・サーバー「Fujitsu FX1」を採用した。両ユニット合わせて3392ノードで構成する。総メモリ容量100テラバイト,総ストレージ容量11ペタバイトとなる。「JAXAが実際に研究に使っているソフトのパフォーマンスをベンチマークにして,各ベンダーのサーバーを比較した結果,FX1が最も優れていた」(藤井氏)と言う。

 併せて富士通はMain Systemに使う3008ノードのFX1が,浮動小数点演算性能を測定するベンチマークテスト「LINPACKベンチマーク」で,実行性能110.6テラフロップ,実行効率91.19%を達成したと発表した。この実行性能は2008年11月時点のスーパーコンピュータの性能比較「TOP500」と照らし合わせると,世界17位,実行効率は世界1位の記録という。