HDEは2009年4月6日,メールの作成・高速配信ソフト「HDE Mail Application Server #Delivery」を発表した。目玉はメール生成や配信管理,配信先のポリシーに応じた流量制御などの機能を業務システムと連携させるJava APIの用意。491ページのリファレンス・マニュアルをそろえ,メール・マガジン配信やコールセンターの顧客管理システムなどを構築する際の工数削減をうたう。販売開始は5月20日。
HDE Mail Application Server #Deliveryは,「MTA」「Controller」の2モジュールで構成する。前者がメール配信,後者が前処理/後処理を主に実行する。
メール配信系の機能として,携帯電話事業者やISPの配信ポリシーに応じた送信ペースの最適化機能,配信管理機能などを装備。前処理/後処理系の機能として,メールに埋め込んだURLのクリック率を測定するクリック・カウント機能,文面の差し込み機能,絵文字対応など携帯電話向けのメール作成機能などを備える。
以上の機能はEnterprise JavaBeans(EJB)に沿ったソフトウエア部品として実装。メールの配信管理や流量制御を作り込むことなく,業務アプリケーションにメール配信・管理機能を組み込める。
今回発表した#Deliveryは,メール関連の統合ミドルウエアとして同社が開発を進めている「HDE Mail Application Server」の1機能という位置づけ。発表済みの「HDE Mail Application Server #Archiver」(関連記事),2009年秋の提供を予定するメール・フィルタリング・ソフト「同#Filtering」などシリーズ製品について管理機能を統一する。
また,HDE Mail Application Serverシリーズの基盤APIを2009年内に公開することで,システム・インテグレータによるカスタマイズ対応のニーズに応える計画だ。
価格は525万円から。負荷分散やセキュリティ要件に応じてControllerとMTAを2台のサーバー機に分けてインストールできる。さらに分散配置する場合は,Controllerサーバーは315万円,MTAサーバーは210万円で追加購入できる。