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シスコの石本龍太郎アドバンステクノロジーソリューションマネージングディレクター
シスコの石本龍太郎アドバンステクノロジーソリューションマネージングディレクター
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 「Cisco Unified Computing System」(UCS)でサーバー市場への参入を果たした米Cisco Systems。しかし,単なる“ブレード・サーバーの投入”と見るだけだと,その真価を判断できないかもしれない。東京都内で開催中の仮想化フォーラムに登壇したシスコの石本龍太郎アドバンステクノロジーソリューションマネージングディレクターは「ブレード・サーバーのようなバックプレーンは無い」とUCSの設計思想を強調した。

 UCSの特徴は,その主役が「スイッチ製品のNexusシリーズを技術的基盤とするUCS Fabricシリーズ」であること。サーバー仮想化ソフトとサーバー,ストレージ,ネットワークで構成されるデータセンターを目指すのは他のサーバー・ベンダーと変わらないが,ネットワーク機器自体が仮想マシンのプロビジョニングにチューンしてある。

 具体的には,PCI Expressインタフェースの仮想化機構を使い,仮想マシンが物理ネットワーク・インタフェースと直接データをやり取りする。つまり「ハイパーバイザをバイパスする」(石本氏)。またイーサネット・フレームに仮想マシンのアドレス情報などを記す拡張タグを付けることで,UCSスイッチが論理ネットワーク上を移動する仮想マシンの状態を認識したうえでフレームをスイッチングできる「VN-Link」を標準化した。これらの工夫で仮想環境におけるネットワークの効率化を突き詰めたのが,Ciscoならではのサーバー仮想化アーキテクチャとなる。

 リソースの割り当ては管理機能を持つ「UCS 6100 Series Fabric Interconnects」などネットワーク製品が中心で,サーバーは計算リソースに過ぎない。その思想の背景にはネットワーク設定を負担に感じるITマネージャの存在がある。「調査の結果,仮想化の導入においてネットワークの設定をチャレンジだと捉えているITマネージャが相当数いることが分かった。すべてのデータセンターがそうだとは言わないが,イーサネット,FibreChannel,InfiniBandといったネットワークが混在し,管理モジュールはあっても統合管理にまで至っていない。これではシステムポリシーの一貫性を保つのは困難だ。ネットワーク・ベンダーである我々の出番」だと石本氏は説明する。

 続いて石本氏は,サーバー製品として見たときのUCSのメリットをアピールした。「UCSはいわゆるブレード・サーバーではない。バックプレーンはなく,管理機能はUCSのスイッチ製品が内蔵する管理モジュールUCS Managerとその管理ソフトが提供する」と前置きしたうえで,「UCSサーバーは48のメモリー・スロットを備え,同じXeon 5500番台のCPUを搭載するサーバー製品と比べて3~4倍の384Gバイトのメモリー容量を1台のサーバーで実現できる」と仕様面での特徴を説明。だれでも得られるメリットはコスト削減効果で,「96Gバイトのメモリー容量を実現するのに,12スロットでは8Gバイトのメモリー・モジュールが必要だが,UCSサーバーなら2Gバイトのメモリー・モジュールで足りる。データセンターでサーバーを100台,200台と大量導入する場合に,メモリーだけで大幅にコストを削減できる」とした。

 さらに「なぜCiscoがサーバーを出すのか」と石本氏は自問して見せ,会場の疑問を解くかのように語りかけた。「確かにデータセンターにおけるビジネスの歴史は他ベンダーより浅い。しかしUCSの開発に際して,ネットワークこそがコンピュータだという思想に共感する有能な人材を全米から登用した。国内でも同じ」と技術的バックグランドの強みを挙げた。さらに過去の歴史を振り返り,「(LANスイッチの)Catalyst,IP電話,そしてテレプレゼンスと,新機軸を打ち出すたびに冷ややかな受け止め方をされた。しかし歴史が後から追いついてきた。UCSもそうなる」と強調した。

 最後に石本氏は,最新の国内販売体制について言及した。「2009年6月にパートナー向けの出荷を始め,検証作業の後,今年後半にはユーザー向けの提供を開始する。既に引き合いが数多くあり,「ユーザーと半年ほど時間をかけて案件を詰めていく形になる」(石本氏)という。