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写真●APCジャパン ビジネス・デベロップメント部の鈴木良信マネージャー
APCジャパン ビジネス・デベロップメント部の鈴木良信マネージャー
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 「仮想化はIT機器の統合だけでは完成しない。電源や冷却装置などの物理インフラを最適化してはじめて,コスト削減や省電力化を実現できる」――。2009年4月14日に東京都内で開催した「仮想化フォーラム2009」において,APCジャパン ビジネス・デベロップメント部の鈴木良信マネージャーが講演,データセンターの効率向上とコスト削減の方法を指南した。

 企業のデータセンターでは,スペースやコストを削減する狙いから,仮想化によるサーバー統合・集約を進めているところが多いが,その一方で,サーバー室の空調コストの増大という問題に直面している。ラックにブレード・システムを詰め込んだ結果,ラック当たりの消費電力が40kWになる場合もある。この結果,サーバー室内に部分的な高温個所(ホットスポット)が生じてしまい,その冷却のために必要な空調コストが大きな負担になっている。

 「実際,サーバーを統合すると,データセンターのエネルギー効率指標であるDCiEが下がるというケースも起きている」と鈴木氏は指摘する。DCiEは,データセンター全体の消費電力に対する,IT機器の消費電力の割合を表す。例えば,あるサーバー室において,サーバー全体の消費電力が100kW,空調設備など物理インフラ全体の消費電力が100kWとすれば,DCiEは50%になる。次に仮想化を導入してサーバー統合を行い,サーバー全体の消費電力を50kWまで抑えたとする。だが,空調設備の仕様を変更することは容易ではなく,消費電力は100kWのまま変わらないとすれば,DCiEは33%まで低下する。「50%のサーバー削減を行ったとしても,電力コストは25%しか削減できない」(鈴木氏)。

 データセンターのエネルギー効率を高めるにはどうすればいいか。APCジャパンでは,モジュール式のUPS(無停電電源)や局所冷却装置などを,必要に応じてラックに格納していく「ライトサイジング方式」を提唱している。サーバー台数に合わせ,段階的に設備を縮小・拡張することで,電力コストを最適化できるという。

 「あるデータセンターでは,仮想化の導入によって,年間の電力コストを27%削減できたが,DCiEが49%から39%まで下がってしまった。そこで高効率UPSや局所冷却装置などの対策を実施したところ,DCiEが62%まで向上しただけでなく,年間の電力コストをさらに36%削減できた」と,鈴木氏は説明する。

 さらに,物理インフラの運用管理も重要なポイント。APCジャパンでは,機器の稼働状況を監視するアプライアンスサーバー「InfraStruXure Central」をベースに,サーバー室内に設置した機器の消費電力をラック単位で「見える化」するソフトなどを提供している。

 InfraStruXure Centralは,リアルタイムでの機器監視,レポート作成,グラフ表示,トレンド解析,セキュリティやイベント通知といった機能を提供する。このほか,データセンター全体の電源や冷却設備のキャパシティを管理する「Capacity Manager」,機器の変更時のワークフロー作成と資産管理を行う「Change Manager」などを用意する。

 従来,サーバーの増設や変更などは,システム管理者の勘で設置場所が決まることが多かった。「InfraStruXure Central/Capacity Managerを使えば,導入前に必要となる電源容量や空調能力,ラック・スペースをシミュレーションできるため,設計作業を効率化できるほか,設備部門とIT部門の情報共有もしやすくなる」と,鈴木氏は導入メリットを強調する。