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日本仮想化技術で代表取締役社長兼CEOを務める宮原徹氏
日本仮想化技術で代表取締役社長兼CEOを務める宮原徹氏
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 「メモリーが足りなくてCPU能力を使い切れないケースが多い」---。仮想サーバー環境の構築などを手がける専業ベンダー,日本仮想化技術でCEOを務める宮原徹氏は2009年4月14日,東京都内で開催した仮想化技術専門イベント「仮想化フォーラム2009」で講演。物理サーバー環境の設計セオリーとは異なる,仮想化環境ならではの設計の勘所を解説した。

 仮想サーバー環境の構築に際して宮原氏は,まずは目標を明確化することがファースト・ステップであると,あらためて強調した。ハードウエア台数を2分の1に減らすなどのように,「まずは仮想化で何を達成したいのかを明確化し,目標を“見える化”しなければならない」(宮原氏)。

 目標を定めた後の,仮想環境の実際の設計では,物理サーバー環境とは異なる,いくつかのポイントがあるという。講演では,こうした仮想環境ならではのポイントを紹介した。

 宮原氏はまず,仮想環境に特有のアーキテクチャとして,物理サーバー機,リソース・プール,仮想サーバー群,個々の仮想サーバー,という階層がある点を指摘。ここで,仮想サーバーをグループ化してマッピングしたり,複数の物理サーバーで構築したクラスタ上にリソース・プールを構築するといった工夫により,冗長化やサービス・レベルの適正化が図れるようになる。

最低3台の物理サーバー機で冗長化する

 同社が仮想サーバー環境の構築時に必ず守っているルールは,物理サーバー機は最低でも3台を用意するというもの。加えて,CPUクロック数とメモリー量には余裕を持たせ,仮想サーバー機が必要とするリソースの総量が,物理サーバーの能力・容量の60%に収まるようにする。これらにより,自然と冗長化を図ることができるからだ。

 この“60%ルール”は,物理リソースに対する仮想サーバー機の収容率のことだ。例えば,3台の仮想サーバー機を動作させて90%の負荷となる物理サーバー機の上で,2台の仮想サーバー機を動作させれば,60%の負荷となる。ここで,物理サーバー機を3台用意すれば,1台が故障しても,他の2台で仮想サーバー機を引き継げる,という仕組みだ。

 リソースとなる物理サーバー機の選び方にも,仮想環境ならではのポイントがある。「一般に,CPU処理能力は余って使いきれないが,メモリーが足りない」(宮原氏)。仮想環境においては,とにかく大量のメモリーを搭載できる機種を購入したい,という。同社の最近のユーザー事例でも,サーバー搭載CPUとして選択可能な最安価CPUを選んだにもかかわらず,CPU処理能力の50%も使っていない,という。

 仮想サーバー環境では,ネットワーク・インタフェースも複数必要になる。最低でも4系統が必要という。クライアントからのデータ・アクセス用のほかに,ストレージ用やライブ・マイグレーション用,さらに管理用のネットワークが必要になるからだ。ストレージも,できるだけ高速なものが欲しいが,スナップショットなどの付加機能は,最初から購入する必要はなく,必要に応じて後から追加できると指摘した。