PR
写真1●国立国会図書館 関西館電子図書館課 副主査の西村大氏
写真1●国立国会図書館 関西館電子図書館課 副主査の西村大氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●デジタルデポジットの画面
写真2●デジタルデポジットの画面
[画像のクリックで拡大表示]

 「開発中のデジタルアーカイブ・システムでオープンソース・ソフトウエア(OSS)を活用している。独自開発の機能もOSSとして公開する」---国立国会図書館 関西館電子図書館課 副主査の西村大氏は2009年5月27日,情報処理推進機構のイベントIPAX 2009で同館のシステムにおけるOSS活用について報告した(写真1)。

 デジタルアーカイブシステムは,国会図書館が所蔵する著作物やWebサイトを収集,保存するシステム(写真2)。2009年度中の本格稼働を予定している。西村氏は「デジタルアーカイブ事業におけるOSSの活用事例」と題して講演した。

 国会図書館は個々の著作物を手動で登録する「デジタルデポジット」やWebサイトを自動収集する「ウェブアーカイブ」といった機能を,OSSで開発している。デジタルデポジットでは,MIT LibrariesとHewlett-Packardが開発したOSS「DSpace」を利用。ウェブアーカイブでは,IIPC(国際インターネット保存コンソーシアム)が開発したOSS「Heritrix」と,ニュージーランド国立図書館と英国議会図書館が開発したHeritrix管理ツールでOSSの「Web Curator Tool」利用している。

 国立国会図書館はこれらのツールを日本語化し,閲覧・検索機能を新規開発した。ほかにポータル作成ソフトSun Java System Portal Server,運用管理ソフトHinemos,検索エンジンSolr,データベースのPostgreSQL,Tomcat,Apacheなどを使用している。

 OSSを採用した最大の要因はコスト。「財政悪化の影響を受け,システム予算は縮小している。また独自システムだと,開発業者が保守も独占することが多く,保守費用も高くなりがちになる」(西村氏)。

 OSSの問題として,西村氏は障害対応などを挙げる。「普通のOSSは,開発元が修正してくれるかどうかわからない。メーカーが提供しているOSSは調査に多額の費用がかかる」(西村氏)。加えて,OSSのユーザー・インタフェースはある程度分かっている人を前提にしていることが多い,マニュアルが英語しかない点も課題として挙げた。