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写真●(左から)藤本取締役、関代表取締役社長、鷲見取締役、長田管理部長
写真●(左から)藤本取締役、関代表取締役社長、鷲見取締役、長田管理部長
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三菱総合研究所(MRI)、三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)、三菱総研DCS(DCS)の3社は2009年6月、合弁でコンサルティング会社を設立した。新会社のMRIバリューコンサルティング(MRV)はグローバル企業向けにERP(統合基幹業務システム)パッケージ導入を支援する。上流でMRIのコンサルティングのノウハウ、下流でMDISのシステム導入ノウハウやDCSのシステム導入、運用ノウハウなどを持ち寄り、各社の強みを互いに生かす。

 代表取締役社長に就任した関孝氏ほか、新会社経営陣に設立の目的や今後の事業戦略について聞いた。

新会社設立の事業内容は。

関代表取締役社長
 日本から中国などのアジア、欧米などに進出したグローバル企業向けにERPパッケージ導入を支援する。本社や子会社それぞれにシステムを導入する“1社対1システム”がいくつも存在するビジネスではなく、本社にサーバー、アプリケーション、データベースを導入して世界中の子会社がそこにアクセスする仕組みを作る。

 事業の一貫性が強化できる一方、オペレーション統合によりコスト削減にもつながる。現在グローバル企業にこのような形でERPを提供している企業はそれほど多くないため、市場参入を決めた。

グループ三社の協業の意味は。

関代表取締役社長
 三社それぞれのノウハウを持ち寄り、ERP導入の上流から下流までカバーする。グローバル企業の世界中の子会社がアクセスするようになれば、24時間体制で運用に当たる必要がある。ヘルプデスクは多言語応対を求められる。こうしたサービスや実際の導入作業はMDISやDCSが提供する。上流のコンサルティングには、MRIのコンサルタントを投入する。

藤本取締役
 MDISはSAPのERPパッケージ導入を13年ほど提供してきており、製造業を中心に110社ほどの実績を持つ。この経験を生かし、コンサルタントが担当した上流工程のアウトプットを補完して、コンピュータシステムで実装するための作業のノウハウを提供する。

長田管理部長
 DCSも導入作業のノウハウを提供する。かねてから上流コンサルティングの補強の必要性を感じていた。DCSはデータセンターを擁しており、ホスト運用も可能だ。

参入企業がそれほど多くないとはいえ、すでに同様のサービスを提供する企業はある。どこが強みになるのか。

関代表取締役社長
 各社がこれまで蓄積してきたノウハウを生かし、素早い導入を目指す。例えばこれまで2年かかっていたところを、1年半、1年で完了できるようにする。導入までの期間が短くなれば、費用も安くできる。短期間導入の実現により、上流から下流まで提供する外資系コンサルティングサービスなどと比べて、半額から7割程度の費用でサービスを提供したい。

 短期間導入は顧客からのニーズでもある。じっくり時間をかけてシステムを導入して、完成したころには業務に合わないシステムだったというのは許されない。システム要件は毎日、毎週、毎月変化する。開発に時間をかければかけるほど、当時の要件から離れたシステムになってしまう。

具体的にはどのようにして短期間導入を実現するのか。

関代表取締役社長
 具体的にはERPが備える機能を最大限引き出しながら、コア要件のシステム最適化に注力する。コア要件とは各企業の強みや、他社との差異化を図るため業務のための要件だ。ここは時間をかけて分析し、最適なシステムになるよう必要に応じてアドオンなどを施す。一方どの企業でもほとんど共通といえるようなノンコア要件は、ERPが元々備える機能を最大限生かす。例えば製造業における受注業務などだ。

 企業によっては、数十の事業部で構成する企業もある。しかし事業部の事業内容を競争力の観点から分析すると、経験上ビジネスモデルは3、4タイプに集約できる。そこでこの3、4のビジネスモデルに各事業を当てはめることで、数十の事業部をカバーできる。コンサルティングでは顧客の「どうしたい」のニーズに合わせることが重要だと思われがちだが、ノンコアについては他者と同じビジネスモデルでも納得してもらいながら短期間導入を目指す。

 SAP製のERPでは生産・販売・物流など300レベルのサブシステムがある。これらで満たせる機能がなければアドオンする。しかし一般的な企業における事業の進め方は、業務フローなどに細かな違いがあってもプロセス自体が大きく異なるということはない。

とはいえ2009年現在はIT投資を削減する企業が多く、進行中の案件でさえ凍結しているところもある。

長田管理部長
 確かにIT投資を凍結している企業もある。しかし凍結がいつまでも続くわけではなく、必ず回復に向かう。回復期に到達したときに、「早く、短く、安く」を市場に訴えられるように準備を進める。

関代表取締役社長
 当面は多額のIT投資を伴わない上流のコンサルティングに重きを置いてサービスを提供したい。システム刷新を前提としない短期的な成果を上げていく。今後必ずシステム投資を再開するときがくる。そのときに効果をアピールし、一気に顧客を拡大するチャンスを狙う。

鷲見取締役
 経済情勢が元に戻ったときには、新しい環境が待っている。コンサルティングのニーズは今、却って高まっている部分もあるようだ。システムの刷新が無理でも、現在のシステムに少々アドオンすれば部署をまたがる情報を可視化できる。こうした仕掛けを考えたい。相談に乗ってほしい、という話は今もある。足元の計画と経済が回復したときの2つの計画を、辛抱強く提案する。

当面の目標は。

関代表取締役社長
 12年9月期までに30億円の売り上げを目指す。5社から10社ほどに導入して実現する。特に注力するのは製造業、流通製造業、日用雑貨や食品などの業界だ。現在、MRVの従業員は三社の出身者と外部から来たコンサルタント10名弱で構成するが、このころには20~30人ほどの体制に拡大したい。