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 情報通信審議会の小電力無線システム委員会は,「950MHz帯中出力型パッシブタグシステム」の検討を開始した。2009年7月7日に委員会の第25回会合を開催し,技術的条件の検討に向けて作業班の発足などを決めた。同日にはこの作業班の最初の会合も行われた。計画では,2009年10月に報告書案をまとめて,同年11月24日開催予定の技術分化会で答申する予定である。

 950MHz帯パッシブタグは,これまでに2タイプについて法制度が整備されて実用化が図られてきた。工場などでの設置を想定し比較的通信距離の長い高出力型(電力は4W(等価等方輻射電力),構内無線局)と,小売店の倉庫などでの利用を想定した低出力型(電力は20mW,特定小電力無線局で免許不要)である。今回は,屋内外における利用シーンを想定し,低出力型よりも通信距離は長く,かつ持ち運びが可能なパッシブタグの実用化を図る。検討項目としては,950MHz帯中出力型パッシブタグシステムの導入に向けて,(1)利活用の方策,普及予測など,(2)950MHz帯で利用されているパッシブタグ・システムおよびアクティブ系小電力無線システムや,近接する周波数帯に存在する被干渉システムとの共用条件,必要な技術条件,運用条件など,(3)電波防護指針への適応,などを予定する。

 作業班の会合などでは,日本自動認識システム協会やメーカー関係者が,950MHz帯パッシブタグの動向などについて説明した。日本自動認識システム協会は,950MHz帯中出力型パッシブタグについて想定される応用例として,「コンビニの商品集配・回収業務における移動可能なリーダー装置で,商品か回収容器に装着されたRFタグを読み書きし誤配・遅配を防止するアプリケーション」など様々なパターンを紹介した。その上で,要望点として,「何時でも:移動申請など不要で,何時でも持ち出して使用することが可能」「どこでも:自社構内だけでなく,どこでも安全に使用可能」「どなたでも:無線免許不要で,どなたでも自由に使用可能」「使いやすい:交信距離が長く(2m以上),また一括読み取りが可能」を上げた。

 メーカー関係者として三菱電機とパナソニックが950MHz帯パッシブタグシステムへの取り組み状況,横河電機がワイヤレス・センサ・ネットワークの現状を説明した。また,日本自動認識システム協会およびメーカー関係者はそろって,UHF帯RFID全般の要望として,帯域幅の拡張を訴えた。