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日本IBMの北沢強システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト
日本IBMの北沢強システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト
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 日本IBMの北沢強システムズ&テクノロジー・エバンジェリストは2009年7月16日,都内で開催されたエンタープライズ・クラウドフォーラムで講演,クラウドに関するIBMの考え方や取り組みを説明した。

 「クラウドは業界全体に起こっているパラダイム・シフトであり,当社としても非常に重視している。当社の顧客の9割以上は企業や団体だ。顧客企業の基幹システムをクラウドの技術でうまく変えていけるよう,お手伝いしていく」とIBMの立場を説明した。

 クラウドのメリットとして北沢氏は,運用コストやソフトウエア・ライセンス料の削減,グリーン化,セキュリティ向上,利便性向上,サーバー調達のリードタイム短縮などを挙げた。「セールスフォースなど,有名なパブリック・クラウドを使うのもいいが,自社のIT基盤をプライベート・クラウドにするだけで,多くのメリットを享受できる」とした。

 IBMは既にクラウド・コンピューティングのアーキテクチャ・モデルを定義している。サービス管理とアプリケーション・サービス,仮想インフラ・サービスの3階層から成るもので,この3階層をまたがる形でライフサイクル管理がある。「今後1~2年は,このモデルにあてはまる製品やサービスをどんどん出していき,2~3年で必要なものがそろってくる」(同)という。

 例えば,クラウド・コンピューティングをターゲットとして今年後半に投入予定なのが,ブレード・サーバーのような「スケールアウト型」サーバーと,大規模SMPサーバーのような「スケールアップ型」サーバーの中間点に位置付けられるようなハイブリッド型のサーバー製品という。

 IBM自身もさまざまなクラウド化プロジェクトを進行中である。例えば,米国にあるx86サーバーやUNIXサーバーの一部(3900台)を30台のSystem zに統合するプロジェクトは,中間報告で既にTCOが半分以下になっているという。中でも大きく減ったのはソフトのライセンス料だった。仮想化で使うCPU数が減ったためである。

 日本IBMは既存のIT基盤をクラウド化していく標準的なステップとして,「簡素化」「共有化」「ダイナミック」の3段階で進めることを推奨している。「簡素化」とは,システム単位で物理的/仮想的にサーバーを統合することである。「共有化」とは,プラットフォーム別にストレージなどのリソースを共有する状態。この段階で部門ごとのサーバー購入をやめ,使った分だけ料金を支払う形態へ移行する。

 最後の「ダイナミック」とは,クラウドそのものを指すと考えてよい。クラウド技術を利用して全社のIT資産を1つのものとして扱える状態である。利用申請,監視,課金などすべての管理が自動化され,サービス指向インフラが実現する。

 「クラウド化を考える場合,まず業務システムごとに非機能要件を洗いだしたものが判断基準になる」と北沢氏は語る。そうした顧客企業に対しては,半日程度で簡単な無料相談をしている。これでクラウド化へのメドが立てば,本格的なコンサルティング,さらには設計へと話を進めていくという。