日立製作所は2009年7月28日,2010年3月期第1四半期(4~6月期)決算を発表。主力の電力・産業システム事業のほか,デジタルメディア・民生機器,電子デバイス事業,高機能材料事業が営業赤字となる厳しい決算となった。
売上高1兆8929億100万円(前年同期比25.6%減),営業損益は505億9600万円の赤字(前年同期は776億9300万円の黒字),最終損益は826億6500万円の赤字(同315億5700万円の黒字)だった。
「情報通信システム」事業は,メガバンクの大規模システム統合案件の一巡によりソフトとサービスの販売が減少。また,ストレージなどハードの販売も低迷し,事業全体の売上高は前年同期比21%減の4716億円,営業利益は同86%減の32億円となった。
その他の事業の業績は,火力発電設備や車載機器などの「電力・産業システム」事業が前年同期比20%の減収,168億円の営業損失。電子部品やディスプレイなどの「電子デバイス」事業は同33%の減収,71億円の営業損失。光ディスクや薄型テレビなどの「デジタルメディア・民生機器」事業では同28%の減収,営業損失134億円を計上した。また,自動車部品や半導体関連製品の「高機能材料」事業は同40%の減収,営業損失25億円だった。
同日,連結子会社5社を完全子会社化する構造改革を発表した(関連記事1,関連記事2)。川村隆執行役会長兼執行役社長は,今期業績への影響については言及しなかったものの,今回の構造改革効果により,「2011年3月期の最終利益は必ず黒字化できる」と述べた。
タイトルおよび本文第2段落で,売上高を前年同期比で「26.6%減収」「26.6%減」と記述していましたが,それぞれ「25.6%減収」「25.6%減」の誤りでした。同じく第2段落で,「営業利益」は「営業損益」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/08/02 22:50]