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 「技術参照モデル(TRM:Technology Reference Model)を利用することで,政府の情報システム調達仕様書の技術的要件作成工数を約20%削減できる」---独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)オープンソフトウェア・センターは2009年8月7日,「情報システム調達のための技術参照モデル」の実証評価報告会を開催,中央省庁のCIO補佐官などが参加した。

 「情報システム調達のための技術参照モデル」は,2007年3月に政府が発行した「情報システムに係る政府調達の基本指針」に基づき調達仕様書を作成するためのリファレンス。2008年12月にIPAが公開した。

 政府調達の基本指針では,ベンダー・ロックインの防止などを目的として,システムの相互運用性の確保,特定の製品を指定しない調達仕様書が求められている。技術参照モデルは情報システムをモデル化し,技術標準を記述した「ひな型」。ひな型の提供により,仕様書作成の効率化や,特定の製品に依存しない調達を確実にすることを狙っている。

 技術参照モデルに基づき実際に調達仕様書を作成した結果「記載すべき技術的要件の80%以上を技術参照モデルから引用できた。調達仕様書の技術的要件を作成するための工数を約20%削減できた。また過剰な要件や不明確な要件,非オープンな要件記述が減少し,調達仕様書の質が向上した」(みずほ情報総研 虎谷雅人氏)という。

 内閣官房・内閣府 情報化参与CIO補佐官 平林元明氏は「消費者庁がすでに技術参照モデルを利用した調達仕様書を作成し,パソコンLANの調達を開始した。内閣府でも技術参照モデルに基づいた仕様書でのパソコンLAN調達を行う」と,政府での技術参照モデルの利用が始まっていることを明らかにした。平林氏はIPAの「オープンな標準」検討ワーキング・グループの委員も務めている。

 ただし2008年12月に公開した「情報システム調達のための技術参照モデル 平成20年度版」の対象はパソコンLANを想定したもので「モノの調達に留まっている」(平林氏)。平林氏は「今年度中に公開を予定している平成21年度版では「運用保守などの役務(サービス)もカバーする」と今後の方針を説明した。

◎関連リンク
技術参照モデルの実証的評価」調査報告書の公開について(IPA)
情報システム調達のための技術参照モデル(TRM)(経済産業省)
情報システムに係る政府調達の基本指針(経済産業省)
情報システムに係る相互運用性フレームワークVersion 1.0(経済産業省)
「情報システムに係る政府調達の基本指針」のフォローアップ結果(平成19年度)(内閣官房)