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 楽天は2009年8月16日,同社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏らが送付した質問状に対する,自由民主党(自民党)と民主党からの回答を公開した。

 三木谷氏らeビジネス関連企業の経営者ら60人は2009年8月10日付けで,両党に「eビジネス振興のための政策に対する質問状」を送付していた。回答したのは自民党の保利耕輔政務調査会長と,民主党の直嶋正行政策調査会長および鈴木寛政策調査会副会長。

 インターネットを利用した公示期間中の選挙活動について,自民党が「一定の規制を課した上で速やかに解禁すべき」と回答。民主党は既にマニフェストに解禁を盛り込んでおり,自民,民主いずれが政権をとってもインターネット選挙活動が解禁されることが確実になってきた。ただし自民党の解禁対象はホームページのみで,メールについては解禁しない方針。

 医薬品のネット販売規制については,自民党が「継続して議論していく」としているのに対し,民主党は「重大な問題を抱えていると考えており,150万人の反対署名が寄せられていることなども踏まえ,見直しを検討する」と踏み込んだ表現となっている。

 またインターネット上の有害情報対策について,自民党は「違法・有害情報の削除などの民間による自主的な対応への支援」を軸に進めていく姿勢を示したのに対し,民主党は規制よりもリテラシー教育やユーザー連携を重視するとして「青少年の携帯(電話)使用規制は,地域・学校が実態に応じて判断することが望ましく,中央政府で一律に決めるべきではない」と,政府としての強制は行わない方針を示した。

 質問と回答の概要は以下のとおり。

1. IT利活用によるeビジネス振興の位置づけと具体策について
自民党民主党
 企業の競争力を高め,産業の高付加価値化を実現すると位置づけている。ASP・SaaSなどの普及促進,新情報サービス産業の創出,地域情報を発信できる人材と生産者,加工業者などのネットワーク化の推進などの施策を講じる。 日本の成長政策の最重要課題と認識している。地域ITアクセス格差解消のため,高速インターネット網や次世代移動通信のエリア拡大を支援する。ICTを活用したコミュニケーション教育,ネットリテラシー拡大に取り組む。
2. IT利活用を阻む規制の見直しについて
自民党民主党
 デジタル技術・情報の利活用を阻むような規制・制度・慣行,サービスの仕組みそのもののあり方や運用などを国民にとって利益となる形で抜本的に見直すことが必要。一般医薬品の販売体制については継続して議論していく。 現行の事業規制は(ITに限らず)ゼロベースで見直す。医薬品の通信販売規制強化については重大な問題を抱えていると考えている。150万人の反対署名が寄せられていることなども踏まえ,規制のあり方の見直しを検討する。
3. インターネット上の有害情報対策について
自民党民主党
 インターネット上の違法・有害情報は,極めて深刻な社会問題となっており,表現の自由なども考慮しつつ,違法・有害情報の削除などの民間による自主的な対応への支援など,社会全体として対策を進める。  短絡的な規制強化は闇サイトを更に増加させる可能性もある。大切なのは教育,ユーザーの連携と協働。青少年の携帯使用規制は,地域・学校が実態に応じて判断することが望ましく,中央政府で一律に決めるべきではない。
4. 通信・放送融合の時代に向けた行政介入の在り方について
自民党民主党
 現在総務省の情報通信審議会で取りまとめ中の「通信・放送の総合的な法体系の在り方答申(案)」の方向性に沿って,2010年の通常国会で通信・放送の法体系を全般的に見直す法改正を行う。 行政の過度な介入を阻むため,放送通信行政を総務省から切り離し,FCC(通信放送委員会)を設置することにより,事前規制から事後規制に転換を図る。表現の多様性を確保するためにマスメディア集中排除原則のあり方を検討する。
5. リテラシー教育推進を前提とした諸制度の制度設計について
自民党民主党
 子どもの学力や情報活用能力の向上を図り,課題や目的に応じて情報手段を適切に活用したり,必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造したりする能力の向上に向けた取り組みを進める。 必要最小限の規制は必要だが,規制中心の考え方で秩序維持を実現していくことは不可能。ネットユーザーのモラルの啓発と奨励,情報(社会)リテラシー向上などにより,ネット社会の進化が図られることが望ましい。
6. インターネットを使った選挙活動の解禁について
自民党民主党
 誹謗中傷などに対する一定の規制を課した上で速やかに解禁すべき。ただしホームページに限り,メールについては解禁しない。また,現行公選法の文書図画,郵便や電話に対する規制と整合性をとるための新たな規制が必要。 政党や候補者に加え,第三者もホームページ,ブログ,メールなどインターネットのあらゆる形態を使って選挙運動ができるようにするべきとの観点から,なるべく早い段階でインターネット選挙運動を解禁するべき。

 なお質問と回答の全文は,楽天グループのポータル・サイトInfoseekで公開されている。