テクマトリックスは2009年8月26日,.NETアプリケーション開発プロジェクト向けに,ソフトウエア単体テスト・ツールの新版「Parasoft .TEST 5.0」を発売・出荷した。Visual Basicから.NETへの移行などに適する。新版では,テスト結果のツリー表示機能やスタブ作成支援機能など,いくつかの機能を追加した。
価格は,開発者向け版の「Professional Edition」が49万8000円(税別)。コーディング・ルールの作成/編集が可能な設計者向けの上位版「Architect Edition」が59万8000円(税別)。開発メンバー間でのコード・レビュー機能などを備えた最上位版「Server Edition」が210万円(税別)。販売目標は,今年度(2010年3月期)中に100ライセンス。開発会社は米Parasoft。
Parasoft .TESTは,開発中の.NETアプリケーションを対象に,ソース・コードの静的解析と単体テスト機能を提供するソフトである。これにより,ソフトウエア開発工程の初期段階での不具合を減らす。.NET環境での新規開発案件のほか,Visual Basicから.NET環境への移行プロジェクトなどに適する。
主な機能の1つである単体テスト機能は,開発者がコーディングする個々の機能プログラム単体ごとに,プログラムを実行させて動作を検証する。テスト・ケース(シナリオ)は自動生成可能。テスト・ケースのカバレッジ(実行させたコードの網羅性)も分かる。最上位版のServer Editionでは,コード修正時に開発メンバー間でレビュー(チェック)する作業をシステム化するワークフロー・サーバー機能も提供する。
今回の新版「5.0」では,単体テスト機能を大幅に強化した。例えば,実行したテスト・ケースをツリー表示するGUIを追加し,失敗したテスト・ケースと,その原因を把握しやすくした。また,DBアクセスやAPI呼び出しといった外部のシステム資源を代替するスタブを,ウィザード形式で簡単に作成できるようにした。さらに,複数機能の集合であるアプリケーションの実行時にテスト・スクリプトをトリガー起動する機能や,アプリケーション実行時のコード・カバレッジなどを可能にした。
一方,静的解析機能では,アプリケーションを実行することなく,個々のソース・コードが正しく期待通りに記述されているかどうかを調べる。名前の付け方や型キャストの使い方,セキュリティや可読性など,記事執筆現在で,444個のコーディング・ルールを標準で搭載している。
設計者向けのArchitect Editionでは,コーディング・ルールの設計やカスタマイズも可能である。さらに,チーム開発向けのServer Editionでは,ソース・コード・レベルでデータ・フローを解析する機能も提供。複数の機能プログラムにまたがった実行パスを解析し,特定の実行パスにおいて発生する可能性のある問題を検出する。
Parasoft .TESTの稼働OSは,Windows XP/Vista,Windows Server 2003。.NETアプリケーション開発ツールとしてVisual Studio 2005/2008が必要。