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 米Microsoftが特許侵害訴訟で主力製品「Word」の販売差し止め命令を受けていた問題で,米連邦巡回控訴裁判所は,控訴審での迅速な審理を求めた同社の要求を認める決定を下した。だが,同社が併せて求めていた,販売差し止め命令を無効化する執行停止措置については,要求を却下した。

 この裁判は,カスタムXMLに関する特許を侵害したとして,カナダのソフトウエア会社i4iがMicrosoftを訴えていたもの。連邦地方裁判所は米国時間2009年8月10日,特許侵害を認める判決を下し,2億9000万ドル超の賠償金支払いと併せて,現在の状態での「Word 2007」「同 2003」の販売を10月10日までに停止するよう命令した(関連記事:Microsoftに裁判所がWordの販売差し止め命令,XMLに関する特許侵害で)。これを不服とした同社は,控訴の意向を示すとともに,販売差し止めの執行延期を求める申し立てを行っていた(関連記事:MicrosoftがWordの販売差し止め判決に緊急の不服申し立て)。執行延期に関する評決は,早くても9月末になる見込みだ。

 つまり,控訴裁判所が今回認めたのは,控訴審の審理の日程を通常より前倒しするということだ。10月10日までの販売差し止め命令は,現時点では引き続き効力を持つ。

 今回の事案を技術面から探ったソフトウエア専門家らは,Wordの販売を停止しなくて済むように回避策を講じるのは簡単なはずだと指摘する。だがMicrosoft自身は,そんなに簡単なことではないと話す。差し止め期限の10月10日までにWord 2007と2003を修正するのは不可能だと同社は主張している。