モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)は2009年9月30日,青少年の利用に適した携帯電話向けサイトを認定する「サイト表現運用管理体制認定制度」の審査を10月8日から開始すると発表した。これまでもSNS(social networking service)などコミュニティ・サイトに対する審査を2008年8月から実施していたが,新制度を追加することでサイトの対象範囲を拡大した。認定を受けたサイトは,各携帯電話事業者の青少年向けフィルタリングの対象から外れると見られる。
新しい審査が対象とするのは,コミュニティ機能を備えておらず,利用を成人に限定していない携帯電話向けサイト。「デジタル・コミック,電子書籍,ゲーム,グラビアなどのサイトが審査を受けると想定される」(EMA事務局の吉岡良平氏)。
既存のコミュニティ・サイト向け審査との違いは,申請サイトに青少年利用に適したコンテンツと成人向けコンテンツを表示する場所を区分けするサイト・ゾーニングの実装を求めること。サイト事業者は,それぞれのコンテンツをサブ・ドメインで切り分けるといった運用が求められる。
具体的には,どんな表現であれば青少年向けとして問題ないかという「自社表現基準」をサイト事業者が定め,その内容が妥当であるかをEMAが審査する。基準に問題がなければ,サイト事業者はサイト上のすべてのコンテンツが表現基準に適合しているかを確認したうえで,結果のリストをEMAに提出する。審査が完了し,認定を受けたあとも,サイト事業者はEMAに定期的にレポートを提出する必要がある。
認定の有効期限は1年。認定を受けるための料金は現時点で未定だが,コンテンツの量によって変動すると見られる。サイト事業者への理解を求めるため,EMAは審査の説明会を開催するほか,自社表現基準の例示集を示すなど情報公開を進め,スムーズに審査が受けられるようにする。