新日鉄ソリューションズ(NSSOL)は2009年10月15日から金融機関向けに、個人顧客を対象にしたリスク管理やマーケティングを効率化するためのシステムを提供する。名称は「Mamecif」。NSSOLが開発したデータモデルに基づき、汎用のデータウエアハウス(DWH)ソフトやBI(ビジネスインテリジェンス)ツール、ハードウエアを組み合わせてシステムを構築する。
金融機関はMamecifを利用することで、個人格付けやマーケティング支援などのデータを得ることができる。個人格付けに用いる場合、「預金額や融資の増減などにより顧客の振るまいを分析して自動的に格付けすることが可能」(NSSOL)。従来から融資の可否を判定したり、返済が滞った顧客をチェックしたりするシステムはあったが、返済が滞る前兆を事前の振る舞いから判断するといったことはできなかったという。
Mamecifを導入する場合、既にDWHを構築している企業であっても新たに専用のデータマートとしてDWHを構築する。その理由についてNSSOLの坪野松勇二金融ソリューション事業本部ソリューション企画推進部グループリーダーは「リテール分野に特化したDWHを作ってすべてのデータを入れることで、導入や運用が用意になるため」と話す。すべてのDWHを統合するためのDWHを構築していたとしても、「データ項目修正の手間などから、新規サービスを始めた際に追加したデータは統合DWHに保存していない、といったケースがある」という。
NSSONLは今回利用するデータモデルを、昨年5月にニイウスコーから買収した金融エンジニアリンググループの技術を利用して開発した(関連記事)。