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 クレオは2009年10月20日、同社の会計パッケージ「ZeeM 会計」をIFRS(国際会計基準)に対応させるための機能強化計画を発表した。2011年12月に、IFRSそのものを日本の会計基準として採用するアダプション(強制適用)に対応したバージョンを出荷する。クレオの林森太郎 執行役員は「早めにIFRS対応への道筋を示すことで、新規顧客を取り込んでいきたい」と意気込みを語る。日本では早ければ2015年にIFRSのアダプションが始まる見込みだ。

 アダプション版では「複数帳簿」「財務諸表の表示」「期ずれへの対応」「固定資産/リース資産への対応」の四つの機能を新たに追加する。複数帳簿は日本の会計基準とIFRSの両者に対応したデータを保持するための機能。IFRSのアダプションが始まった場合、連結財務諸表はIFRSに基づいて作成し、単体の財務諸表は税法や会社法に基づいて作成する必要がある。これらの作業を支援する機能だ。ただし「1回の仕訳で複数の帳簿に書き込める機能を実装するかは決めていない」(林執行役員)という。

 二つ目の財務諸表の表示は、IFRSが規定する財務諸表の作成に対応する機能。IFRSでは日本基準が定めている「損益計算書」や「貸借対照表」の代わりに、それぞれ「包括利益計算書」と「財政状態計算書」という名称の財務諸表に変更される予定だ。開示内容も現行の日本基準の財務諸表とは異なるため、IFRSに対応した新たな財務諸表の作成機能を追加する。

 三つ目の期ずれへの対応は、親会社と子会社の会計期間がずれている場合の決算処理を支援する機能だ。IFRSでは連結財務諸表を作成する場合、親子間の決算期をそろえる必要がある。ZeeM会計では複数の会計期間をまたがる場合でも、親会社が規定した決算期間で財務情報を自由に取り出せるようにする。

 最後の固定資産/リース資産への対応は、ZeeM会計のオプションとして提供している固定資産管理モジュールの機能強化となる。複数帳簿と同様に複数の資産台帳を保持できるようにするほか、減損の戻し入れができるようにする。

 アダプションに対応したバージョンは「経営上の影響よりも、トランザクションなどシステム上の影響が大きい機能を優先して強化する方針だ」と大矢俊樹取締役は説明する。アダプション版を出荷した後も「早期適用企業へのヒアリングをしたり、公認会計士と相談しながらアダプションに向けた機能強化を続けていきたい」(林執行役員)としている。

 アダプション版に先駆けてクレオは10年3月と11年3月に分けて、コンバージェンスに対応した製品を出荷する。コンバージェンスは日本の会計基準をIFRSに近づける取り組みで、現在進行中だ。10年3月には資産除去債務を計上する機能と、マネジメントアプローチに対応した機能を追加したバージョンを出荷。11年3月には、新たに会計基準などを適用した場合、過去の年度分の財務諸表も修正する「過年度遡及」を実現する機能も追加する。