2009年10月24日から一般公開される「第41回東京モーターショー2009」では,次世代ETC(自動料金収受システム)と呼ばれる新しいITS(高度道路交通システム)向け車載器が展示されている。DSRC等応用サービス普及促進委員会のブースにて,パイオニア(写真1),パナソニック(写真2),三菱電機(写真3)の車載器を見ることができる。このうちパイオニアと三菱電機の車載器は10月末までに発売予定である。
次世代ETCでは,現行のETCに加えて,現在はVICS(道路交通情報通信システム)で提供されている渋滞や障害などの交通情報を知らせる情報提供サービスが加わる。国土交通省では「スマートウェイ」という次世代ETCのプロジェクトを推進しており,実験的なサービスが首都高速道路の一部などで提供されている。将来的には,観光情報や地域情報の配信(写真4),駐車料金の決済,パーキング・エリアなどのスポットにおけるインターネット接続サービスなどが予定されている。
無線通信には現行のETCと同じ5.8GHz帯のDSRC(dedicated short range communication)技術を使う。5.8GHz帯のDSRCでは,アップリンクとダウンリンクそれぞれ7チャネルが割り当てられている。1チャネル当たり最大4Mビット/秒の通信が可能である。現行のETCではこのうちアップ/ダウンの各1チャネルしか利用していないが,次世代ETCでは7チャネルをすべて使う。例えば20メートル程度をカバーするアンテナを道路上に連続して設置し,それぞれに異なるチャネルを割り当てることで,電波干渉を引き起こすことなく,サービスを提供できる。