2009年10月28日から東京・晴海の東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2009」では,主催者企画として「EXPO AR」を実施している。EXPO ARは,会場内に設置した「EXPO ARステーション」というスペースを利用し,来場者に最新技術・サービスであるARを体験してもらうものだ。
ARとは,現実の空間に対して文字情報やCGイメージなどを重ね合わせたりする技術やサービスのことで,「拡張現実」とも言われる。SF映画などでよく見かける特殊なサングラスをかけることで,目の前の現実の空間の上に,さまざまな情報が重ねて表示されるような実現形態をとる。
今回のITpro EXPO 2009では,展示会場内の7カ所にEXPO ARステーションを配置。パソコンと小型USBカメラ,そして「2次元マーカー」と呼ばれるQRコード状のパネルなどが置かれている。2次元マーカーをARステーションのカメラで撮影することで,ディスプレイ上にカメラを通じた風景と,それに合成された文字情報やCGキャラクターなどが表示されるしくみになっている。この2次元マーカーなどには大日本印刷やクウジットが開発した技術を利用している。AR空間に出現するキャラクターは日本電子専門学校の学生が作成した。
また,会場で配布しているITpro EXPO 2009のガイドブックにも2次元マーカーは印刷されている。ARステーションのUSBカメラで読み取ることで,展示会に関する情報を来場者に提供する。来場者には,ぜひ試してもらいたい。
EXPO ARを楽しむ手段はARステーションだけではない。ARステーションを含む会場内のARポイントを日経BP社の記者が案内する「ARツアー」も行っている。
初日12時15分からの第1回目のツアーに同行したが,熱心に質問する参加者が多く,好評だ。特に発売したばかりのWindows Mobile搭載スマートフォン,ネットブック,高性能グラフィックス搭載パソコンでARの表示がどのように異なるのかを見比べられるのはこのARツアーならではの趣向だ。
ARツアーに利用している機材は,マイクロソフト提供のWindows Mobile搭載スマートフォン,日本エイサーのネットブック,VUZIXのビデオアイウエア。実空間と合成してディスプレイ上で動くCGキャラクターに,参加者は興味深げだった。
ツアーは1日に4回で,1回あたり約30分。開始時刻は下記の通り。
●10月28日(水)
・13時05分~
・14時20分~
・15時50分~
●10月29日(木)
・11時35分~
・13時05分~
・14時20分~
・15時50分~
●10月30日(金)
・11時35分~
・13時05分~
・14時40分~
・16時45分~
1回のツアー人数は20名。参加するには東5ホール入り口にある受付カウンターで事前に発行する整理券が必要。参加希望者は,会場に着いたらまず整理券を発行してもらおう。