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写真1●A10ネットワークスのAX3200
写真1●A10ネットワークスのAX3200
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写真2●NAT444(図中のLarge Scale NATがNAT444)とDual-stack liteのしくみ
写真2●NAT444(図中のLarge Scale NATがNAT444)とDual-stack liteのしくみ
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写真3●Dual-stack liteでパケットをカプセル化したところ。同じパケットにIPv4アドレスとIPv6アドレスが両方割り当てられている
写真3●Dual-stack liteでパケットをカプセル化したところ。同じパケットにIPv4アドレスとIPv6アドレスが両方割り当てられている
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 2009年10月28日から東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2009」では,主催者企画として「ネットワーク最前線」というコーナーを設けた。その一角で,ネットワーク機器ベンダーのA10ネットワークスがLSN(Large Scale NAT)のデモを披露している。

 今回のネットワーク最前線のテーマの一つは「IPv4グローバル・アドレス在庫枯渇」と「IPv4/IPv6環境の共存」だ。LSNはIPv4の枯渇期に,一つのIPv4グローバル・アドレスを複数のユーザーで共有するためのしくみである。現在,家庭用のブロードバンド・ルーターで実行しているNAT(正確にはNAPT)を,プロバイダなどの網内に設置したLSN装置で実行するイメージだ。

 LSNには複数の実装があり,A10ネットワークスがデモしているのは,そのうち「NAT444」,「Dual-stack lite(DS-lite)」と呼ばれる方式である。いずれも同社の負荷分散装置AXシリーズ(写真1)をベースにしたLSN装置を利用する。NAT444はユーザー宅内のネットワーク機器(従来のブロードバンド・ルーターをそのまま使える)と,AXシリーズの両方でNATを実行する方式だ。

 一方,DS-liteはインターネットへのアクセスにIPv6ネットワークしか使えない状況で,IPv4端末を使い続けるための方式。ユーザー宅内ではIPv4パケットをIPv6パケットでカプセル化する。そして,L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)経由でLSN装置までパケットを送り,LSN装置でNATをかけてからIPv4インターネットに流す(写真2)。本来,ユーザー宅内にもDS-lite対応の専用機器が必要だが,まだ製品化されていない。そのため,今回のデモではノート・パソコンにCoLinuxをインストールし,その上でカプセル化などを実現するソフトウエアを動かして代用している(写真3)。

 また,同じAXシリーズを使って,IPv4/IPv6混在環境についてのデモも公開している。IPv4アドレスを割り当てたパソコンからIPv6対応のWebサイトにアクセスしたり,IPv6パソコンからIPv4対応Webサイトにアクセスしたりする様子を見ることができる。