日立ソフトウェアエンジニアリングは2009年10月28日、電子黒板利用者向けWebサイト「スタボひろば」を開設した。電子黒板で利用できる教材や、電子黒板の活用事例などを配信する。「電子黒板を導入しても、学校で埃をかぶってしまうと意味がない。まずは教育現場で有効に活用してもらえるよう支援する」とインタラクティブメディアソリューション本部の臼田裕本部長は狙いを説明する。
電子黒板はパソコンと専用ディスプレイを組み合わせた機器で、教師がディスプレイを触ることで操作し、授業を進める。スタボひろばで提供するのは、デジタル教材約60種類と、教材を作成するのに役立つクリップアート約180種類である。このうちデジタル教材は、千歳科学技術大学やケンブリッジ大学出版局が作成したものだ。
今後コンテンツは徐々に増やす予定で、追加コンテンツに関する情報をメールで配信するサービスも開始する。電子黒板を利用した授業などの先進事例を紹介する動画も配信する。
3人が同時に入力できる電子黒板「FX-TRIO」の実機も公開した(写真)。生徒3人が同時に文字を書き込める。同社によれば3人同時は世界初だという。現在はまだプロトタイプで、製品として出荷するのは2010年1月末以降になる予定である。
2009年度の補正予算で、文部科学省が98億4300万円を見込んでいた公立校への電子黒板導入予算は、10月に実施された予算見直しによって80億3500万円に減額された。2010年度の政府予算には電子黒板導入の予算は含まれていない。このため、「まずは教育現場で電子黒板を有効に使ってもらうことに力を入れる」(臼田本部長)。