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 「企業が競争に生き残るには、イノベーションの継続と社会や地球環境への貢献を両立していくことが欠かせない」。NECの矢野薫社長(写真)は2009年11月5日、同社が開催する「iEXPO2009」の講演に登壇し、こう述べた。

 一つ目のイノベーションについて、矢野社長は「経済や社会が変化するスピードはどんどん加速している。企業はその変化に迅速に対応しながらイノベーションを繰り返していかなければならない」と強調した。二つ目の社会や地球環境への貢献については、金融危機や地球温暖化といった世界規模での問題を踏まえ、「企業の存在価値が改めて問われている。企業は自社の利益だけを考えるのでなく、持続可能な社会の実現に向けて地球環境との共存を目指すべきた」と説明した。

 これら二つを実現するための自社の取り組みとして、矢野社長はクラウドコンピューティングの構築を挙げた。「販売、購買、経理といった間接業務の業務プロセスをグループ全体で標準化するところから取り掛かり、販売の業務プロセスを5分の1以下に減らすといった改革を断行した」(矢野社長)。

 標準化したプロセスをシステムに実装し、そのシステムを世界のグループ社員14万人がインターネット経由で利用するクラウドコンピューティングを構築した。こうした業務改革とシステムの効率化により、間接業務コストとITコストをそれぞれ2割減らせたという。「システムの集約などによって、CO2の排出量も約6割減らせた」(矢野社長)。

 ITを生かして業務効率化やコスト削減などにつなげた顧客事例も、矢野社長自身が紹介した。セイコーエプソンは、拠点ごとに散在していた製品の生産にかかわる情報をグローバルで集約する「グローバルサプライチェーン改革」により、200億円分の在庫削減につなげたという。キリンビールは商品情報の一元管理によって営業担当者の情報検索時間を減らした。東京海上日動火災保険はシンクライアント端末を3万台導入することによってコスト削減とセキュリティ強化を果たし、災害時の業務継続性の確保にもつなげたという。

 iEXPO2009は明日11月6日まで東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催している。