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ミクシィ 代表取締役社長の笠原健治氏
ミクシィ 代表取締役社長の笠原健治氏
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ディー・エヌ・エー(DeNA) 取締役ポータル事業本部長兼COOの守安功氏
ディー・エヌ・エー(DeNA) 取締役ポータル事業本部長兼COOの守安功氏
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 宮崎県で開催されている「Infinity Ventures Summit 2009 Fall」。2009年11月12日の冒頭の基調パネルディスカッションは、ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏、ディー・エヌ・エー(DeNA)取締役ポータル事業本部長兼COOの守安功氏が登壇。既にパソコン版、ケータイ版ともにオープン化したSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「mixi」、2010年1月にオープン化を正式に開始するケータイSNS「モバゲータウン」と共にオープン化へかじを切った両社が、オープン化戦略が何をもたらすのかを語った。

 外部企業がアプリケーションを自由に開発し、SNS内でユーザーに公開できるオープン化は米フェースブックが2007年5月に開始。国内大手ではミクシィが他社に先駆け、2009年8月24日にmixiのパソコン版を、10月27日にケータイ版をオープン化している。

 まず、笠原氏がオープン化がもたらした影響について説明した。

 パソコン版とケータイ版のPV(ページビュー)の推移を提示した笠原氏。mixiアプリの投入によって「緩やかに減っていたパソコン版mixiのPVが9月、10月で回復。滞在時間も8月から9月の1カ月で約30%増加した」(笠原氏)と説明した。パソコン版のUU(ユニークユーザー)も2007年が最も多かったが、8月24日を境にV字回復したという。

 開始から2カ月間でmixiアプリのインストール数は延べ1500万を突破。mixiアプリの投入に伴い、日記をはじめとするそのほかのコンテンツのPVも増加しており、パソコン版mixiは第2成長ステージに突入したと見解を述べた。

 一方、10月27日から開始したケータイ版は利用数が急激に加速したため非常に負荷が重くなっていると、現況を説明した。ケータイ版の開始でトラフィックは急増しているという。パソコン版、ケータイ版含めて既に月間1億PVを超えるアプリが複数出てきているそうだ。

トラフィック対策が課題の1つに

 一方、2010年1月にオープン化を予定しているDeNAの守安氏は、ミクシィのオープン化の現状を見て2つだけ残念な点があると述べた。

 まず、パソコン版mixiアプリで最も集客に成功しているSAP(ソーシャル・アプリケーション・プロバイダー)が日本企業ではないというところ。国内からもっとソーシャルアプリ開発を盛り上げていく必要があるとした。

 もう1点はケータイ版mixiアプリのトラフィックに耐えられていないSAPが実に多いということ。ベンチャーにとってまたとないチャンスだが、十分に取り組みができていない企業が多すぎると指摘。スピード感、投資規模含め、もう一段ギアを入れてほしいとアプリ開発企業の多い会場に激励を飛ばした。

 その上で、同社のSAPに対するサポート体制について説明した。

 まず、ユーザーに対する有料課金における手数料は3割。携帯電話事業者による課金代行、クレジットカード、ウェブマネーなどの決済方式に対応する。一方、広告ではCPA(Cost per Action)、CPC(Cost per Click)、CPM(Cost per Thousand)のメニューを用意。

 例えば、CPA型の広告では、広告主のサイトに登録することでゲーム内で攻撃力が上がる武器を得られるといった広告メニューを用意したいとした。これはアイテム課金と並んで、かなりSAPがマネタイズしやすいモデルになるのではとみているとした。また、SAP側で自由に広告を掲載することも可能。ただし、外部リンクになるので中間ページをDeNA側で用意するという。

ゲームのパラメーターと連動するアイテム販売を

 アバターアイテムの販売については、アイテム単体として販売するだけでなく、ソーシャルゲームのパラメーターに連動する機能を持つアイテム販売をぜひお願いしたいとした。ただし、アバターアイテムの販売の際には、50~100円を別途システム利用料として徴収する予定だ。

 mixiアプリで指摘したトラフィック対策でのサポートについては、同社のインフラの一部を貸すことも検討しているという。現在、同社はモバゲータウンを数千台のサーバーで運営しており、急激なトラフィック増加のために常時、数百台規模の余剰を持たせている。

 「クラウドコンピューティングとまではいかなくても、こうしたサーバーを貸すことでシステム面でのサポートができるのでは」(守安氏)とした。また、検討中とはしながら、DeNAの新潟のカスタマーサポートセンターを使って、SAPのカスタマーサポートを請け負う予定もあるという。

 「現在、ケータイにおけるSNSのオープン化は日本が旬だがいずれ世界に広がっていく」と言う守安氏。そのためにも「今後、中国、米国を中心にソーシャルゲームのプラットフォームを作れるプレーヤーとの資本提携や買収を進めていく」(守安氏)と今後の方針を述べた。

 モデレーターを務めたインフィニティ・ベンチャーズLLP共同代表パートナーの小野裕史氏が2人に対し、広告収入と課金収入の比率予測を聞いたところ、ミクシィの笠原氏がmixiアプリの広告収入と課金収入の予測を半々としたのに対し、DeNAの守安氏は「感覚的には課金が7割で広告が3割くらいになるのではないか」と予測を述べた。

 同じSNSのオープン化でも収益構造は大きく異なるようだ。