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 政府の行政刷新会議は2009年11月13日,総務省が管轄する特定財源「電波利用料」について,2010年度予算の概算要求からムダを洗い出す事業仕分けを実施した。携帯電話関連で事業仕分けの対象となったのは,電波利用料を財源とする(1)地方における携帯電話の圏外解消を目指す「携帯電話等エリア整備事業」,(2)高速道路や鉄道のトンネル内の圏外解消を目指す「電波遮へい対策事業」,(3)不法電波を監視し取り締まる「電波監視施設の整備・維持運用及び電波監視業務等の実施」の三つだった。評価者からは全体の77%を携帯電話利用者から得ている電波利用料の用途について厳しい意見が相次いだ。

 「携帯電話等エリア整備事業」は2010年度予算における概算要求額は77億円である。検討の結果「予算要求の縮減」という結論になった。質疑応答では,「77億円を使って携帯電話がエリア化される人は1万人弱しかいない。1人当たり金額が大きすぎないか」「大きな利益を上げているNTTドコモがいるなかで,なぜ国が基地局を設置してあげなければいけないのか」「地方自治体が基地局設置を要望するならば,地方自治体も負担すべきではないのか」といった意見が出た。評価者14名のうち,予算要求の縮減が最も多い6名で,予算計上の見送りも5名と多かった。

 30億円を要求している「電波遮へい対策事業」も,「予算要求の縮減」という結論になった。ただし廃止すべきという意見も多く,廃止も検討することになった。電波遮へい対策事業の予算は高速道路や新幹線のトンネル内を携帯電話のエリア化に使われている。これに対して多くの評価者から「新幹線のトンネルで使えることは乗客の利便性を向上させている。ならば電波利用料を使わずJRが負担すべきなのではないか」「総務省は高速道路のトンネルに緊急時用途で整備しているというが,高速道路のトンネル内には非常用の固定電話が用意してある。不要ではないか」といった意見が出た。

 「電波監視施設の整備・維持運用及び電波監視業務等の実施」は58億円を要求していた。結論は予算要求の縮減となったが,予算通りにすべきという意見も多く,それを結論に付記することになった。財務省からは,監視業務に利用する施設更新は12年,車両更新は10年で予算計上しているが,調査においてこれらの年数で更新せざるをえない劣化は認められなかったと指摘があった。