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 日本音楽著作権協会(JASRAC)は2009年11月19日,「JASRACシンポジウム2009」を開催した。今回のシンポジウムでは,動画コンテンツのインターネット配信などをテーマにしたパネル・ディスカッションが行われた。コーディネーターを務めたのは,慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉氏である。

 最初の議題となったのは,「これまでの成功事例」である。日本放送協会(NHK) 放送総局特別主幹などを務める関本好則氏は,「成功事例は英BBC」としたうえで,「英BBCは2000年の時点から『これからはインターネット事業を強化する』と決めて『iPlayer』を作った」と長期的な戦略が背景にあると指摘した。一方,慶応義塾大学大学院 政策メディア研究科 特別招聘教授の夏野剛氏と日本音楽著作権協会(JASRAC) 常務理事の菅原瑞夫氏は,「成功モデルは着メロ」と述べた。成功のポイントとしては,月額300円の定額制サービスの存在を挙げた。「300円という払っているか払ってないかという料金のサービス・モデル」(菅原氏)である点が成功の要因の一つとなったという。

 現時点において収益を上げることができるビジネス・モデルについて,NTT(持ち株会社) 研究企画部門 担当部長の伊能美和子氏は,デジタルサイネージの産業振興を手がける視点から,コンテンツが成功のポイントになるという見解を示した。「デジタルサイネージではテレビのコンテンツがそのまま流れることがあるが,テロップが見えづらいケースがある」としたうえで,「メディアの特性を考えてコンテンツを作らないと,ビジネスとして成り立つのは難しい」という見解を示した。

 このほかに,「インターネットを利用した動画配信サービスの試行錯誤は3~4年は続くのではないか」(関本氏),「コンテンツを売るのではなく,コンテンツの権利を売るという方式にすれば,新たな需要を開拓できるのではないか」(夏野氏)という意見も出た。