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 みずほ証券が株誤発注による損失など約415億円の賠償を求め東京証券取引所を訴えた裁判で、東京地方裁判所は2009年12月4日、東証に107億1212万8508円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 松井英隆裁判長は東証の責任を認め、次のように述べた。「取消処理ができない不完全なシステムを提供した。価格と数量が通常でない注文を認識しながらも売買停止権限を行使しなかった。過失は重大であるといわざるを得ない」。一方で、誤発注をしたみずほ証券にも過失があったとした。その根拠として「初歩的な入力ミスをした」「警告表示を無視した」「発注管理体制にも不備があった」ことを挙げた。

 過失の割合については、東証が7割、みずほ証券が3割とした。

 ただし判決では、みずほ証券が誤発注により被った損失400億円超すべてについてこの割合を適用するのでなく、東証が売買停止できたと裁判長が判断した、2005年12月8日の9時35分00秒以降に発生した損失150億1732万6441円についてのみ、過失相殺を適用した。

 9時35分00秒に東証が売買停止できたと判断した根拠について、松井裁判長は次のように説明した。「約定株式数が発行済株式数の3倍を超えたのが9時33分25秒。その後の決裁やオペレーションに要する時間1分程度を考慮しても、9時35分00秒までには売買停止が可能だったと認められる」。

 9時35分00秒よりも前にみずほ証券が被った損失については、「故意または重過失が認められる場合を除いて東証に賠償責任はない」とした取引参加者規程15条により免責され、東証に責任はないとした。さらに裁判長は、「被告(東証)は個別の注文を処理する義務を負っていたとは認められない」と述べた。

 裁判は2005年12月にジェイコム株の誤発注により400億円を超える損失を出したみずほ証券が、誤発注を取り消せなかったのは東証のシステムの不具合が原因だとして、東証に約415億円の損害賠償を求めたもの。東京地裁は2009年2月27日に判決を出す予定だったが、直前に異例の延期を決めていた。その後、口頭弁論を再開、東証の職員への証人尋問を実施し、当日の経緯など改めて審理していた。