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ノースウェスタン大学名誉教授のドン・シュルツ氏
ノースウェスタン大学名誉教授のドン・シュルツ氏
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 2009年12月3日に開催された「Google Business Day」のキーノートセッションでは、マーケティングコンサルティングにおいて多くの実績を持つ、ノースウェスタン大学名誉教授のドン・シュルツ氏が講演した。同氏は、一方通行型のマーケティングは通用しなくなったと警告を発した。

 冒頭、シュルツ氏は「デジタル化が進む中、企業は変わらなければならない」述べ、「消費者の変化のスピードに合わせて、企業も変革していかなければならない」と主張した。

 マーケッターは従来、プロモーションを自ら主導してきた。消費者に合わせて製品を作るのではなく、企業が販売したい製品を作り、それを必要とする人に売ってきた。また、テレビCMなどの広告を何度も消費者に見せることで、購入意欲を高めるといった「一方通行型のマーケティングが主体だった」(シュルツ氏)と説明。しかし、こうした手法は通用しなくなってきていると警告した。

 その理由は、ネットの普及にある。消費者は、ソーシャルメディア、ブログなどでいつでもどこでも、製品や企業について語り合えるようになった。そうした状況においては、「消費者との積極的な対話が重要になる」とシュルツ氏は言う。消費者の声に耳を傾けて、どういうニーズがあるのか、どういう問題を抱えていて、それを解決するにはどうすればいいのか、といったソリューションを考えていかなければならない。それができれば、製品は自ずと売れる。それが現在の市場であると解説した。

 ただ、企業にとっては「独り言は得意だが、対話は苦手」(シュルツ氏)。そこでシュルツ氏は、消費者の意見を聞き、それを社内に持ち帰って分析することを専任とする人間を用意することを勧めた。そうすれば、消費者の意見をビジネスモデルにどう影響させていくか、ニーズに合った製品をどう開発させるかといったことに有効活用できると説明した。

 次に消費者の変化において、複数のメディアを同時利用するようになってきていることも意識すべきと注意を促した。その根拠として、メディアの同時利用に関する調査結果を示した。それによると、テレビを見たときにネットにも接続していると回答したのは男性で60%、女性で65%に上った。

 ただ、これをそのまま、うのみにすべきではないとシュルツ氏は言う。「質問を入れ替えて、ネットをしながらテレビを見ていたかと聞くと回答は変わる」(シュルツ氏)ことから、同時に複数のメディアと接触していても、消費者は利用しているメディアには優先順位を付けており、最も重要なメディアを主体として回答する傾向にあることをよく理解すべきと説明した。

 最後にシュルツ氏は、「消費者は組織の変化よりも早いスピードで変化している。容易ではないが、企業も変革していかなければならない」と締めくくった。