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図 33セグメントを連結送信したときのスペクトラム
図 33セグメントを連結送信したときのスペクトラム
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 マルチメディア放送は,地上アナログ放送の終了によって空く周波数のうち全国向け放送用周波数(207.5MHz~222MHzのいわゆるVHF帯ハイバンド,以降Vハイ)に向けて,33セグメントを周波数上に連続して配置して送信する「14.5MHz幅のISDB-Tmm送信機」の試作に成功し,放送の開始が見込まれる2011年頃の実用化にメドをつけたことを明らかにした。

 Vハイを利用するケータイ向けマルチメディア放送については,SFN(単一周波数ネットワーク)を採用し,全国一律のケータイ向け放送が展開される見通しになっている。このVハイの周波数帯域幅は14.5MHzであり,今回開発した送信機はこの周波数(実際には429kHz×33なので14.2MHz幅)をISDB-Tmmという方式でカバーというものである。

 Vハイについては,技術方式としてISDB-TmmとMediaFLOの2方式が名乗りを挙げている。選択肢は,「途中にガード・バンドを設ける形で帯域を半分に分け,二つの方式の実用化を図る」と「いずれかの方式に一本化する」の二つがある。

 今回14.5MHz幅のISDB-Tmm送信機を開発したことについてマルチメディア放送は,(1)14.5MHz幅を一つの方式でカバーする場合でも送信機が1台で済み,送信所の建設などといったインフラ・コストを大幅に低減できる,(2)連結してセグメントを配置できるので,途中にガード・バンドが不要となり周波数の有効利用につながる,という2項目が利点という。

 マルチメディア放送は,NTTドコモやフジテレビジョン,ニッポン放送,伊藤忠商事,スカパーJSAT,電通,住友商事が出資する。総務省が2009年10月に実施した参入希望調査においては,Vハイの全周波数を利用してISDB-Tmm方式による受託放送に対して,今後設立を予定する子会社を通じて参入を希望することを表明している。なお,ISDB-Tmmは,地上デジタル放送(ワンセグを含む)の放送方式である「ISDB-T」を拡張したもので,約5.7MHzの13セグメント形式(地デジ相当)と約429KHzの1セグメント形式(ワンセグ相当)を周波数軸上に密に並べて送信(いわゆる連結送信)できる方式である。

 なお,総務省によるこの時の参入調査では,KDDIとクアルコムが出資するメディアフロージャパン企画が,MediaFLO技術を利用して,約13MHz幅(7.4MHz+約5.6MHzまたは約6.5MHz×2)による放送を実施したいと表明している。