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 独SAPは2010年1月14日(現地時間)、サポート方針の変更を発表した。現在提供している「Enterprise Support」に加え、料率の低い「Standard Support」を新たに用意した。新規にSAP製品を導入する企業だけでなく、Enterprise Supportを利用している既存顧客もStandard Supportを選択できる。新サポート方針は全世界で適用され、日本の顧客も対象となる。SAPは08年7月、09年4月にもサポート方針を変更しており、1年半で3回目の変更となる。

 Standard Supportは法規制の変更や不具合への対応、品質管理、ナレッジの共有といったサービスを提供する。SAPは「SAPシステムを安定稼働させるために必要な基本的なサポートメニュー」と位置づけを説明する。年間のサポート料率はライセンス費用の18%となる。以前、独SAPが同様のサポートを提供していた時のサポート料率は17%だった。

 Enterprise SupportはStandard Supportの上位との位置づけとなる。Standard Supportのメニューに加えて、「利用企業のシステム全体でのTCO(総所有コスト)の削減や、イノベーションの促進、IT投資を保護するようなサービスを提供する」とSAPは説明している。運用支援ソフト「SAP Solution Manager」を通じて、パラメータ設定やシステムの稼働状況などをSAPが監視するサービスを提供する。

 Enterprise Supportのサポート料率は顧客によって異なる。08年7月5日以降に契約した顧客のサポート料率は22%である。08年7月5日以前にSAPと契約した顧客の場合、サポート料率を従来の17%から段階的に値上げしている途中であり、顧客企業が利用しているバージョンや契約によって異なる。09年は18.36%が主流だった。利用企業はEnterprise SupportとStandard Supportのどちらを選ぶかを1年ごとに選択できる。

 SAPは08年7月、従来から提供していたサポートに替えて、Enterprise Supportの提供を開始。サポート料率を従来の17%から段階的に引き上げ、12年までに22%にすると発表していた。

 この発表に対し、日本をはじめとする各国のユーザー会が反発。08年末からユーザー会がSAPと話し合いを開始し、09年4月には「ユーザー会とともに作成したKPI(主要評価指標)の達成度合いによってサポート料金を引き上げるかどうかを決定する」「サポート料金を22%まで引き上げる期間を12年から15年まで延長する」といった新たなサポート方針を発表した。

 Standard Supportの提供に関して、SAPのレオ・アポテカーCEO(最高経営責任者)は、「顧客やユーザー会と多くの話し合いの結果を反映したものだ」と説明している。SAPはStandard Supportの発表と同時に「2010年もサポート料率を据え置く」としている。08年7月5日以前にSAPとEnterprise Supportを契約した顧客のサポート料率は、2010年も18.36%が中心となる。