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写真●J:COMへの資本参加を発表するKDDIの小野寺正社長兼会長
写真●J:COMへの資本参加を発表するKDDIの小野寺正社長兼会長
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 KDDIは2010年1月25日,ケーブルテレビ大手のジュピターテレコム(J:COM)に資本参加すると発表した(関連記事)。J:COMに出資する米リバティ・グローバル・グループの保有株式を3617億円で全取得する。これによりKDDIは,日本最大のケーブルテレビ統括運営会社(MSO)であるJ:COMの株式の37.8%を保有する筆頭株主となる。

 J:COMへの資本参加の狙いについて,KDDIの小野寺正社長兼会長(写真)は「327万世帯の顧客基盤を持つJ:COMとパートナシップを組むことで顧客基盤の拡大を狙いたい。またNTTグループに対する依存度を下げることも狙い」と語る。かねてから小野寺社長は,固定アクセスの分野で収入に対するNTTへの接続料の支払いが増えていることを問題視。自らアクセス回線を保有するなどして,利益を得やすい体制へと変えたい考えを示していた。

 実際の株式取得は2010年2月中旬の予定。J:COMへの役員の派遣や,さらなる株式取得などについては「すべてが白紙の状態。これから議論する」(小野寺社長)とだけ述べた。

 J:COMのブロードバンド・サービスの加入者は2009年12月末時点で158万加入。KDDIとJ:COMを合計するとインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)事業でのシェアは12%超となり,30%弱の合計シェアのNTTグループを追撃する体制が整う。映像分野のシナジー効果も見込んでいるようだ。小野寺社長はアナリスト向けの会見で,「J:COMの連結子会社の中にケーブルテレビの番組供給会社を抱えていることにも価値がある」と話す。同社のFTTHサービス「auひかり」(旧名ひかりone)や今後参入を希望している携帯端末向けマルチメディア放送への番組供給に大きな効果を出せると話した。

 なお株式取得の話はごく最近,リバティ側から寄せられたという。とはいえ小野寺社長は,リバティとJ:COMの大手株主の住友商事の間の合弁関係が2010年2月に解消する契約になっていたことは知っていたと話す。「KDDI側から売ってくれという話になると値段が高くなるから(KDDI側からは声をかけなかった)」(小野寺社長)。同社が以前から慎重な対応を進めてきたことが分かる。

 なおKDDIは,2006年にJ:COMに次ぐシェアのMSOであるジャパンケーブルネット(JCN)も傘下に収めている(関連記事)。J:COMをも傘下に収めたことで,ナンバー1,2のMSOを手中に入れたことになる。

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