PR

 KDDIは、2010年1月25日開催の取締役会において、Liberty Global,Inc.(LGI)グループが保有する中間持株会社3社の持分の全てを、取得価格3617億円で譲り受けることについて決議し、LGIグループと譲渡契約を締結したと発表した。

 同日に開催した2009年度第3四半期決算の記者会見で、今回の資本参加に関してKDDIの小野寺正代表取締役社長が記者の質問に答えた内容をまとめた。

交渉はいつ頃、どちらの持ちかけて始まったのか。

 交渉はつい最近、LGIグループからの持ちかけで始まり、2010年1月25日開催の取締役会で株式の譲り受けについて決議した。

今回の株式取得金額について、安いと考えているか、適正と考えているか。

 いろいろな比較法があるが、適正であることを示すものをいただいているし、我々の計算の結果からも十分妥当な数字であると考えている。

ジュピターテレコム(J:COM)への資本参加の狙いは何か。

 J:COMはすでに327万世帯の顧客基盤を持っており、そこに資本参加することで戦略的なパートナーシップを強めたいと思っている。それによって当社の顧客基盤を強めたい。J:COMの固定アクセス回線を生かし、当社グループとJ:COMの競合を進展させることで、当社グループのNTTグループへの依存度を減少させる、つまりアクセス回線市場においても当社の競争力の一層の強化を図りたい。さらに当社子会社のCATV事業者「ジャパンケーブルネット」(JCN)とのパートナーシップの強化や、FMBCサービスとの連携についても加速、発展できると考えている。

 今後J:COMとの話し合いによっては、例えば(CATV向けの固定電話サービスである)「ケーブルプラス電話」を全面的に導入してもらうことも考えられる。これは今後の話し合いによる。

NTTグループへの依存度を下げる狙いは何か。

 15年くらい前の電話の時代は、アクセス回線に対する支払いが収入に対して小さかった。しかしIPの時代になって、アクセス回線に支払うお金が約7割と大きくなり、中継部分で得られるお金が小さくなった。つまりISPのユーザーが増えるほどNTTグループの取り分が大きくなる構造で、誰のために営業しているか分からない状態になっている。この状態を打ち破るには、アクセス系のユーザーを直接持つことが必要となる。

今回の資本参加で、ブロードバンドの分野に限るとどの程度の提携効果が期待できるのか。

 ブロードバンドという見方か、ISPという見方かで数字が変わってくるが、ブロードバンド市場におけるISP契約数のシェアという見方をすると、FTTH、CATV、ADSLなどすべてのISPを含めた場合、J:COMとKDDI合計のシェアは12%を超える。同じ見方でNTTグループのシェアは、OCNとNTTぷららを合わせて30%弱という数字となる。

高速インターネット接続サービスなど、J:COMのサービスと一部競合する。この点についてどう事業展開を進めるのか。

 確かにJ:COMとKDDIでカバレッジの重なる部分はある。ただしこれはJCNでも事情は全く同じで、ユーザーの要望に応えるという観点から競争していくべきである。つまり、CATVは映像中心でその付加サービスとしてネットを利用したい人向け、一方、我々のFTTHは1Gbpsという超高速のインターネット接続サービス・プラスIPの映像サービスということで、メインのターゲットが違ってくる。お互いに切磋琢磨すればいい話で、問題はない。

自前のアクセス回線強化の方針を出したり、NTTのFTTHを8分岐で借りようとしたり、ブロードバンド戦略に悩んでいる印象を受ける。今回の資本参加は、アクセス回線はやはり自前でやっていくという決断の表れか?

 そこは悩んでいるわけではない。我々としてはアクセス回線できちっと稼ぐ仕組みを作らないといけないという考えはまったく変わっていない。8分岐の話も関係するといえば関係するが、札幌や仙台では8分岐の形ではなくNTTの光回線を借りてすでにやっている。我々はできる所かやらきちっとやろうという方針で、今回もそうした方針の一環である。

 NTTの回線開放については、組織形態も含めて今の時点で我々から何か申し上げるつもりはない。総務省でいろいろ取り組みをやられているので、その中で方向性を出していただきたい。そのためには今までのレビューをきちっとやってほしい。

黒字化を目指している固定通信事業に対して、今回の資本参加はどう影響するか。

 J:COMは十分利益の出ている会社であり、しかも持分法で連結するだけなので、我々が目指している固定通信事業の営業利益の黒字化には影響を与えない。

株式の取得に必要な3617億円はどうやって調達するのか。

 基本的には、当面銀行からの借り入れでまかなう予定である。

37.8%の出資比率は中途半端な印象を受ける。この比率はこのまま変わらないのか、あるいは今後関係強化に向けて比率を上げていくのか。

 今回LGIグループの中間持ち株会社を買った結果こういう数字になっただけで、それ以上の意味はない。今後どうするかについては、今の段階ではまったくの白紙である。

KDDIからJ:COMへ役員の派遣はあるのか。

 今の時点では申し上げられない。

原口総務大臣が、NTTグループのアクセス部門を共同出資会社にして競争を促進し、もっとFTTHを安く提供できるようにしてはどうかといった発言をしている。今回の出資に当たり、こうした要素を考慮しなかったのか。

 原口大臣はいろいろ考えを示されているが、正式にどういう方針で進めるという結論めいた話は出ていないと受け止めている。我々としても当然いろんなことを考慮するが、基本的には設備競争できるところは設備競争をやるべきだと考えている。

[発表資料へ]
[関連記事1へ]
[関連記事2へ]