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写真●質疑応答に答えるJ:COM代表取締役社長の森泉知行氏
写真●質疑応答に答えるJ:COM代表取締役社長の森泉知行氏
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 ジュピターテレコム(J:COM)は2010年1月28日、2009年12月期決算説明会を開催した。1月25日にKDDIが取締役会において、Liberty Global,Inc.(LGI)グループが保有する中間持ち株会社3社の持ち分のすべてを譲り受けることを決議しており、KDDIは2月にJ:COMの筆頭株主になる予定である(関連記事1関連記事2関連記事3)。

 今回の決算説明会の質疑応答では、このKDDIの資本参加に関する質問が集中した。質問には、代表取締役社長の森泉知行氏(写真)が回答した。

今回のKDDIの資本参加を受けて、同社とどのような協業体制を築いていくのか。

 今回の資本参加について、KDDIの小野寺正社長から直前になって連絡はあったものの、詳しい内容についてまったく承知していない。法令に基づいて株式の譲渡が適切に行われたかを確認しないと、話は前には進まないと思う。シナジーについては、KDDIがケーブルテレビ(CATV)事業をどういうふうに位置付けるかによって決まってくる。これらについて、我々は何も説明を受けていない。当社の見解は、十分に詳しく話を聞いて、我々のステークホルダーにとってプラスになり、結果として企業価値の増大につながるのであれば、当然のことながら積極的に協力すべきだと思っている。

KDDIの資本参加を友好的と考えているか、それとも敵対的と考えているか。

 全体のストーリーを聞いていないので、回答できない。ただしKDDIの小野寺正社長は、「もう一方の大株主である住友商事とも友好的に話をしたい」としている。また、「マネジメントも尊重してCATV業界の発展に寄与したい」という話だと理解している。その限りにおいては、必ずしも敵対的な株の移動ではなかったと思っている。どういうお考えなのか、慎重にお聞きしたい。

今回の買収でKDDIが付けた65%のプレミアムについてはどうか。

 65%のプレミアムを付けると1株15万円ぐらいだと思うが、この数字そのものに対しての意見は差し控えたい。65%のベースになっている株価は8万4000~5000円である。J:COMの社長としては、不満足な水準だと思っている。5年前の決算と今回の決算の数字を見ると、5年前のOCF(「営業収益」などから「番組・その他営業費用」などを差し引いた数値)は632億円である。現在は1444億円であり、2倍以上増えている。我々が上場したときの株価は8万円だった。8万4000~5000円をベースにしてプレミアムを付けるのは、業績の伸びを考えると、適正に評価されているとは言えないのではないか。安く見積もられた株価に対して65%が高いか安いかというのは、あまり意味のない議論だ。

KDDIとのパートナーシップは、共通の敵であるNTTに対抗するという視点で考えると、どの程度の競争力向上につながるのか。

 通信事業と放送事業はビジネスの本質は違うが、これから一つの事業になっていく。通信ネットワークは一本化するだろう。これには大変な難しさがある。通信事業者が放送事業をやると絶対に失敗する。放送事業者が通信事業をやっても失敗する。しかし我々は放送と通信を融合してやってきた10年間の経験と実績があり、これは着実に生かしていきたい。

 またCATVネットワークは安価で使いやすいネットワークである。だが、固定のネットワークであり、宅内でしか使えないという弱点がある。事業領域を広げるためには、無線のウエートを高めることが不可欠だ。これを実現するには、大手の通信キャリア3社のいずれかと組むのが現実的だ。KDDIはその1社なので、パートナーとしては非常に良い。領域的には生み出すものが多いのではないかと考えている。