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 独SAPのレオ・アポテカーCEO(最高経営責任者)は解任された可能性がある(関連記事:[速報]SAPのCEOが交代、2人が内部昇格し共同で後任に)。同社のCEO交代を告げる発表資料には、「同氏を取締役会の一員とするという契約に関して、監査役会と合意に達しなかった」という趣旨の一文がある。

 細かく発表文を読むと、SAPの監査役会が製品開発の面で、同社の体制を早急に強化する必要があると判断していたと伺える部分がいくつかある。

 まず、CTO(最高技術責任者)のビシャル・シカ氏が取締役会の一員に昇格している。新たな共同CEOの一人であるジム・ハガマン・スナーベ氏は、製品開発の責任者である。アポテカー氏は、営業を含む顧客関連業務の総責任者やSAPの各国法人のCEOを歴任した人物であるが、技術者ではなかった。

 さらに監査役会は、SAPの共同創業者で監査役会議長のハッソ・プラットナー氏に対し、技術と製品開発の面で新経営陣を力強くサポートするよう要望。プラットナー氏は「新たな取締役会によって、SAPは顧客のニーズを満たした製品の革新が可能になる。新経営陣はSAPの戦略を前進させ、利益ある成長に集中していくだろう」とコメントしている。

 世界で3000人規模の人員削減を実施したにもかかわらず、2009年のSAPの業績は減収減益だった(関連記事1:SAPの2008年Q4決算は増収増益、2009年は3000人を削減へ、関連記事2:SAPの2009年通期決算は減収減益、ソフト収入は28%の大幅減)。成長の著しいSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の分野でも、業務用ソフトを提供する他の企業に出遅れていると指摘されていた。

 アポテカー氏は2008年4月にSAPの共同CEOに就任した。今回、共同CEOに任命されたスナーベ氏とビル・マクダーモット氏も、この時に取締役会のメンバーとなった。アポテカー氏の取締役会における任期は2010年までとなっていた。