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 日本民間放送連盟は2010年2月19日、2月18日に開催した理事会において「ラジオのマスメディア集中排除原則の緩和に関する要望」をとりまとめて、2月19日に原口総務大臣宛に提出したと発表した。

 要望は大きく2点から構成する。一つは「同一地域内あるいは異なる地域間に関わらず、1事業者による音声放送の複数チャンネル運用を可能にする」というものである。狙いは、ラジオ社のビジネス拡大と、聴取者の選択肢拡大などである。

 想定される適用例は、「あるラジオ単営社が同一地域の他のラジオ単営社と統合・合併して免許を継承し、同一放送対象地域において複数のラジオチャンネルを運営する」「ラジオ・テレビ兼営社と同一地域の他のラジオ単営社が統合・合併して免許を継承する。同一放送対象地域で、一つのテレビと複数のラジオのチャンネルを運営する」などである。

 さらに、既存の民放ラジオ事業者による携帯端末向けマルチメディア放送あるいは新型コミュニティ放送など新規メディアへの参入・進出を可能にするというシナリオも描くことが可能になる。

 もう一つの要望点は、「同一地域内あるいは異なる地域間に関わらず、ラジオ社(兼営社は含まず)に関する現行の出資比率の上限を引き上げる」というものである。目的は、ラジオ社の経営の安定や資金力の確保である。

 この目的のため、既存の認定放送持株会社制度の手直しも選択肢の一つとしている。例えば、同制度で子会社としうる放送事業者の数を12としているが、数え方においてテレビとラジオの区別はない。そこで、例えば、ラジオの扱いを軽くすることを提案している。また、同一地域内のラジオ社を2社以上、認定放送持株会社の子会社にできるようにするという提案も行っている。

 今回の要望は、民放ラジオ事業の発展に向けて事業者自身の自助努力が必須であることは踏まえたうえで、「経営の選択肢を拡大する上で重要なポイント」として、マスメディア集中排除原則(表現の自由享有基準)を位置づけたものである。2009年8月にまとめられた情報通信審議会「通信・放送の総合的な法体系の在り方」答申で、地上放送に関するマスメディア集中排除原則について、事業者の具体的な要望があればラジオとテレビで別の基準を検討する方向性が示されたことを受けて、民放連では検討を行ってきたという。